西日本皮膚科
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治療
非ステロイド外用抗炎症剤イブプロフェンピコノールクリーム(BO-31)の比較試験による有用性の検討
BO-31臨床研究班
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1988 年 50 巻 3 号 p. 502-508

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抄録

急性湿疹, 接触皮膚炎に対するBO-31(3%イブプロフェンピコノールクリーム)の有効性, 安全性を検討するため, 5%イブプロフェンピコノールクリーム(5% IPPNクリーム)を対照薬として, well controlled studyによる左右比較試験を行い, 以下の成績を得た。試験実施例数は82例でそのうち66例が有効性評価の対象となつた。症状別の改善度はすべての症状で有意差は認められなかつた。最終全般改善度のかなり軽快以上の改善率で5% IPPNクリームは74.2%, BO-31は65.2%の有効率を示したが, 有意差は認められなかつた。副作用は5% IPPNクリームに4例(5.0%), BO-31に3例(3.8%)発現し, すべて皮膚症状であつた。有効性, 安全性を総合した有用性についても両薬剤間に有意差は認められなかつた。また, 同等性検証(△=0.10)を実施したが, 有効性, 有用性で同等性は確認できなかつた。しかしながら, 対比較試験としての優劣比較で有意差はなく, BO-31の高い安全性と60%以上の有効率および有用率を考慮すると一般向外用剤として有用な薬剤であるといえよう。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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