西日本皮膚科
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症例
顕著な代謝異常を呈したWerner症候群の2例
—高脂血症, 高インスリン血症について—
池 亨仁古江 増隆安藤 厳夫大塚 藤男石橋 康正大原 国章南光 弘子
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1988 年 50 巻 5 号 p. 824-828

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抄録
難治性潰瘍などの典型的な皮膚症状に加え, 高脂血症(症例1)あるいは, 高インスリン血症(症例2)を伴つたWener症候群の2例を報告した。症例1の血漿リポ蛋白分画はchylomicronまたはvery low density lipoproteinのいわゆるtriglyceride richリポ蛋白の著しい増加とlow density lipoproteinの低下を示した。症例2の75gトレーランG負荷試験は著明なインスリン分泌増加を伴うlatent diabetesの所見を示した。インスリン負荷試験およびC-peptide, インスリン抗体結合率はいずれも正常範囲であつた。これらの異常所見は糖, 脂質代謝系における障害に起因することを示唆し, Wener症候群の病態と密に関連するものと考えた。
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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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