西日本皮膚科
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治療
副腎皮質ステロイド外用時における表皮のブドウ球菌数の変動
—Difluprednate軟膏とBetamethasone-17-valerate/Gentamicin軟膏の比較—
西本 勝太郎山本 憲嗣塚崎 直子
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1989 年 51 巻 2 号 p. 348-351

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抄録

副腎皮質ステロイド外用療法時における, 湿疹·皮膚炎病巣部のブドウ球菌数を, ガラス管, 小ブラシを用いた洗浄法によつて測定し, その変動を二薬剤(Difluprednate軟膏およびBetamethasone-17-valerate 0.1% Gentamicin軟膏)について比較した。結果は,
1) 病巣のブドウ球菌数は症状の改善度と並行して減少し, 皮疹が治療した状態では, ごくわずかの菌しか検出されない。
2) 病巣部のブドウ球菌数は, 外用剤に含まれる抗生剤よりはむしろ皮疹の湿潤度, いいかえれば外用ステロイドの治療効果に強く影響された。
以上より, 明らかな感染のない湿疹·皮膚炎病巣に対しては, 充分な強さの外用ステロイド剤の使用のみで良いことを確認した。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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