西日本皮膚科
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症例
非定型的臨床像を呈したスポロトリコーシスの2例
真崎 治行大坪 東彦幸田 弘
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1990 年 52 巻 3 号 p. 462-466

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抄録

非定型的臨床像を呈した限局性皮膚型スポロトリコーシスの2例を報告した。症例1は54歳, 農夫で, 頭頂部に脂漏性湿疹様の紅斑局面を認めた。病巣から, Sporothrix schenckiiCandida guilliermondiiが分離されたが, 後者は腐生したものと考えた。被髪頭部のスポロトリコーシスは本邦で自験例を含めて9例であつた。症例2は1歳10ヵ月, 女子で, 鼻尖部に単純性疱疹様皮疹を認めた。過去に報告された限局性皮膚型スポロトリコーシスの非定型例を検討したところ, 紅斑, 丘疹, 膿疱のような浅在性病変が多くを占めていた。そこでわれわれはその臨床像を次の8型に分類した: 紅斑型, 丘疹·膿疱型, 浸潤性局面型, 結節·腫瘤型, 潰瘍型, 瘻孔型, 疣状型, 混合型。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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