西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
Buerger病
 
河原 謙一中川 重光上田 恵一
著者情報
ジャーナル 認証あり

1990 年 52 巻 3 号 p. 503-508

詳細
抄録

29歳男子。10年間の喫煙歴がある。約1ヵ月前より生じた右第2, 3指の有痛性潰瘍を主訴として受診した。潰瘍出現前に遊走性血栓性静脈炎に罹患している。指尖容積脈波とサーモグラフィーは四肢末端の血流低下を示し, 血管造影では末梢動脈の閉塞像が認められたため, ビュルガー病と診断した。治療は禁煙を厳守させ, プロスタグランディンの点滴静注にて治療したところ, 1週間後には安静時疼痛は消失し, 5週間後には潰瘍の著明な縮小をみた。その後プロスタグランディンの内服を開始し, 潰瘍はその4週間後に瘢痕治癒した。

著者関連情報
© 1990 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top