西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
熱傷瘢痕由来線維芽細胞の形態および機能に関する研究
第2報 正常皮膚由来培養線維芽細胞との比較
工藤 昌一郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

1990 年 52 巻 4 号 p. 722-729

詳細
抄録

熱傷瘢痕と正常皮膚より得られた培養線維芽細胞を用いてその機能および形態を比較検討した。集団倍加時間は正常皮膚群が67.6±36.4時間, 熱傷瘢痕群が90.8±64.3時間であり, 両群間に有意の差が認められた。受傷後経過時間が短く, 大きな熱傷瘢痕より得られた線維芽細胞ほど集団倍加時間の遅延がみられた。培養液中へのコラーゲン産生量は受傷後半年以内の新しい瘢痕では陳旧性熱傷瘢痕や正常皮膚に比べ増加していた。熱傷瘢痕群の線維芽細胞の形態は正常皮膚群に比べ, 大型で不整なものが多かつた。

著者関連情報
© 1990 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top