西日本皮膚科
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症例
Postthrombotic Syndromeと超音波療法
浅谷 雅文鈴木 裕介
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1990 年 52 巻 6 号 p. 1109-1113

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抄録
2例のpostthrombotic syndromeに超音波療法を施行した。症例1: 37歳女子。マーケットの立ち仕事を誘因として左下腿の血栓性静脈炎に続く下方の板状硬結。安静と血小板凝集抑制剤, 末梢循環改善剤内服により急性期症状を改善させた後, 残つた板状硬結に対して超音波療法0.8W/cm2, 5分間, 週2回施行。2回目より疼痛, 牽引痛が消退し, 計11回施行までに板状硬結は著しい改善をみた。症例2: 79歳女子。左下腿下方の有痛性浸潤性紅斑と黒褐色色素沈着, 浮腫, 疼痛をともなう板状硬結局面。下方静脈造影にて膝窩部深部静脈が描出されず, 深部静脈閉塞によるpostthrombotic syndromeと診断。安静·下肢挙上にて広範囲の浮腫が消退したが, 板状硬結と有痛性紅斑が残存。これらに対して超音波療法1.0W/cm2, 5分間, 施行したところ, 計3回までに圧痛が消退し, 計6回までに板状硬結の改善をみた。
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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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