西日本皮膚科
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治療
プロブコールの眼瞼黄色腫に対する治療効果
プロブコール臨床調査研究班
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1990 年 52 巻 6 号 p. 1230-1238

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抄録

眼瞼黄色腫患者に対してプロブコール1日1,000mg投与し, その退縮効果を検討した。解析対象50例中, 高コレステロール血症群(高コ群)25例(50%), 脂質正常群25例(50%)であつた。高コ群では23例(92%), 脂質正常群では17例(68%), 全体では40例(88%)に退縮効果を認めた。両群共に総コレステロールは投与1ヵ月後には低下したが, 低下の程度と黄色腫退縮効果には相関を認めなかつた。全例に副作用を認めなかつた。この退縮効果は, 血清コレステロールを低下させる作用とLDLに対する抗酸化作用による泡沫細胞形成の抑制と, HDLによるコレステロール逆転送の促進によると考えた。末梢組織での同様な泡沫細胞浸潤性疾患である動脈粥状硬化症にも退縮効果が期待される。本剤の優れた有用性から, 眼瞼黄色腫治療のファーストチョイスとなりうる薬剤であると考えた。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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