西日本皮膚科
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治療
シクロスポリンの乾癬に対する臨床評価
—多施設用量比較検討試験—
シクロスポリン皮膚科研究会
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1991 年 53 巻 1 号 p. 118-129

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抄録
中等症以上の乾癬に対するシクロスポリンの至適投与量の検討を目的とし, シクロスポリン3mg/kg/日投与群と5mg/kg/日投与群の有効性, 安全性および有用性を投与期間8週間で比較検討した。皮診の改善の程度は5mg/kg/日が優れており, 全般改善度は5mg/kg/日投与群が3mg/kg/日群に比べ有意に優れていた。さらに効果の発現についても5mg/kg/日投与群のほうが3mg/kg/日投与群に比べ早かつた。また概括安全度については両群間で有意な差はなく, 発現した副作用の内容についても大きな差はなく, 重篤なものはなかつた。さらに, 全般改善度と概括安全度を総合的に判定した有用度では, 5mg/kg/日投与群は3mg/kg/日投与群に比べ有意に優れていた。以上の結果より, シクロスポリンの乾癬に対する至適投与量として5mg/kg/日が適当であると考えられた。
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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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