1991 年 53 巻 3 号 p. 602-606
尋常性乾癬2例, 膿疱性乾癬3例に対してシクロスポリンの投与を行った。シクロスポリン投与には従来の内用液剤ではなくソフトゼラチンカプセルを用いた。シクロスポリンの投与量は3∼5mg/kg/day相当量, 12週間の経過観察を行った結果, 尋常性乾癬患者2例中1例に, 膿疱性患者は全例に病変の著明な改善をみた。副作用では1例に多毛, 1例に高血圧の悪化をみた。検査所見においては1例に血清Mg値の低下, Al-P値の上昇が認められた。シクロスポリンの血液中濃度は患者間でかなりの差がみられたが, 臨床効果と血液中濃度に相関は認められなかった。