西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
シクロスポリンによる尋常性乾癬, 膿疱性乾癬の治療
—シクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルの使用経験—
小林 仁大河原 章
著者情報
ジャーナル 認証あり

1991 年 53 巻 3 号 p. 602-606

詳細
抄録

尋常性乾癬2例, 膿疱性乾癬3例に対してシクロスポリンの投与を行った。シクロスポリン投与には従来の内用液剤ではなくソフトゼラチンカプセルを用いた。シクロスポリンの投与量は3∼5mg/kg/day相当量, 12週間の経過観察を行った結果, 尋常性乾癬患者2例中1例に, 膿疱性患者は全例に病変の著明な改善をみた。副作用では1例に多毛, 1例に高血圧の悪化をみた。検査所見においては1例に血清Mg値の低下, Al-P値の上昇が認められた。シクロスポリンの血液中濃度は患者間でかなりの差がみられたが, 臨床効果と血液中濃度に相関は認められなかった。

著者関連情報
© 1991 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top