西日本皮膚科
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治療
バナン®錠の皮膚感染症に対する治療効果の検討
西嶋 攝子為政 大機朝田 康夫杉山 徹尾高 達男白井 教文松村 比呂江伊庭 仁樹中川 裕美赤井 容子増田 理恵
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ジャーナル 認証あり

1992 年 54 巻 1 号 p. 125-128

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抄録
ニュータイプの経口セフェム剤であるバナン®(cefpodoxime proxetil, CPDX-PR)を各種皮膚感染症108例に使用して, 有効性と有用性の検討を行った。またバナン®錠単回投与120分後, 180分後に血清中および皮膚組織内濃度の測定を行った。有効以上の有効率は全疾患平均で92.6%であり, 副作用は1例にも認めなかった。とくに, よう, 丹毒, リンパ管(節)炎, 皮下膿瘍における有効率は100%であった。血中濃度と皮膚組織内濃度比は, 平均で18.4%と良好であり, 本剤の皮膚組織内移行も良好と考えられた。したがってバナン®錠は皮膚感染症に対して, きわめて有用性の高い抗生物質の一つであると考えた。
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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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