レピリナストのアトピー性皮膚炎に対する至適用量を求めるため, 気管支喘息ですでに用いられている用量(小児: 8mg/kg/日(分2), 成人: 300mg/日(分2))を高用量群(H群)とし, その1/3量を低用量群(L群)として, 全国24施設において封筒法により2群間の比較検討試験を実施し, 以下の成績を得た。
1) 総症例182例(L群: 89例, H群: 93例)のうち, 開始日以降来院せずの11例(L群: 7例, H群: 4例)は完全除外し, 残りの171例(L群: 82例, H群: 89例)を概括安全度の解析対象とした。さらに試験規約違反などを除いた146例(L群: 69例, H群: 77例)を有用度の解析対象とした。
2) 経時的全般改善度については, 改善以上で2週後では, L群12.2%, H群16.0%, 4週後では, L群22.1%, H群34.2%, 6週後では, L群25.4%, H群46.4%で4週以降でH群がL群より有意に優れていた。
3) 概括安全度については, L群では「安全性に問題なし」が79例(96.3%), 「安全性にやや問題ある」が3例(3.7%)で, H群では「安全性に問題なし」が85例(95.5%), 「安全性にやや問題ある」が4例(4.5%)で両群間に有意差はなかった。「安全性にかなり問題ある」, 「安全性に非常に問題ある」と判定された症例はなかった。
4) 有用度については, 有用以上でL群24.6%, H群44.2%でH群がL群より有意に優れていた。
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