西日本皮膚科
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治療
アトピー性皮膚炎に対するオキサトミドの臨床効果の検討
広島オキサトミド研究班
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1992 年 54 巻 4 号 p. 784-790

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抄録

オキサトミド60mg/日投与とステロイド外用にて, 皮膚症状が軽快しているアトピー性皮膚炎患者において, ステロイド外用状況を変えることなくオキサトミドを減量し, 皮膚症状の推移を観察した。その結果, 4週後の観察でオキサトミド60mg/日を継続投与した群では, その悪化率は2.9%にすぎなかったが, オキサトミド30mg/日に減量した群では, 悪化率は18.5%であり, 無投与群のそれは48.0%であった。その悪化傾向は, オキサトミド減量後1週目にすでにみられはじめ, 期間の経過にしたがって増加する傾向がみられた。悪化した皮膚症状のうち, そう痒の悪化がとくに顕著であった。これらの結果は, 抗アレルギー薬であるオキサトミドがアトピー性皮膚炎の抑制に有効であることを示唆している。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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