西日本皮膚科
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54 巻 , 4 号
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図説
綜説
症例
  • 長田 和子, 清島 真理子, 鹿野 由紀子, 森 俊二, 福島 信夫
    1992 年 54 巻 4 号 p. 678-682
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    5歳男児。初診: 昭和55年9月22日, 出生時より全身の紅斑, 落屑がみられ, 水疱形成, 糜爛を伴う皮膚症状を呈していた。身長107cm, 体重15.8kg。理学的には異常なく, 発育も-2SD以内で特に遅延していない。骨の発育も正常。組織学的に水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と診断されエトレチナート1mg/kgより内服を開始した。約2∼4週間で著効を示し, その後は0.7-1mg/kg/日の投与量で維持している。エトレチナート総投与量は現在までのところは75.5gである。エトレチナート内服を10年以上行い経過を観察しているが, 骨単純X線写真上特に異常所見を認めない。また, 血清アルカリフォスファターゼ, トランスアミナーゼ, Ca, P, Mgも異常値を示していない。このようにエトレチナートにより皮膚症状も寛解状態であり良好なコントロールを得た水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の男児例を報告した。
  • 福田 英三, 今山 修平
    1992 年 54 巻 4 号 p. 683-685
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    スクラブクリーム皮膚炎の5例を報告した。本症はスクラブ剤配合の洗顔料による主として中年女性にみられる特異な顔面皮膚炎で, スクラブ効果を期待して過度にこすりすぎた結果生じた一次刺激症状であろうと考えられる。本症は中年女性に好発するものの, 使用法如何によっては年齢·性別に関係なく若年者にも発症する。
  • 矢野 延子, 樋口 満成, 津田 眞五, 谷川 英子
    1992 年 54 巻 4 号 p. 686-690
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    抗アレルギー剤であるアンレキサノクス(エリックス®)点眼薬による接触性皮膚炎の4例を経験した。4例とも女子(69歳, 22歳, 52歳, 39歳)でアレルギー性結膜炎の診断で眼科医よりアンレキサノクス点眼薬を含む数種類の点眼薬を投与されていた。投与約3週間から10ヵ月後にそう痒感を伴う両眼周囲の紅斑, 浮腫, 結膜充血が出現した。パッチテストの結果, 4例ともエリックス®点眼薬に陽性, 成分パッチテストを施行した2例では, 主剤であるアンレキサノクスに陽性であった。
  • 中村 佐和子, 田中 敬子, 島雄 周平
    1992 年 54 巻 4 号 p. 691-694
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    21歳男性。合成樹脂性のメガネを購入, 着用し始めて1週目頃より, 両側鼻根部にそう痒が生じ, 10日目には同部と両側耳介後部に紅斑が生じた。メガネフレームの削り屑の貼付試験で陽性。また, メガネフレームの各組成成分の貼付試験では, 可塑剤であるジエチルフタレートとジメチルフタレートで陽性であった。硫酸コバルトも貼付試験陽性であったが, メガネフレームの原子吸光分析でコバルトは検出されず, 2種の可塑剤によるアレルギー性接触皮膚炎と考えた。
  • 森 健一, 岡 大介, 植木 宏明
    1992 年 54 巻 4 号 p. 695-697
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    51歳男子。昭和60年に感冒薬(ルルK細粒®)にて中毒疹の既往あり。平成2年4月7日夕方および翌朝に小青竜湯を内服。昼より臀部から大腿にかけて強いそう痒を伴った浸潤性の紅斑が出現。小青竜湯とルルK細粒の同一構成成分であるマオウ, カンゾウの貼付試験が陽性であることより, これらが原因の薬疹と診断した。
  • 豊島 弘行, 三浦 直樹, 吉田 彦太郎
    1992 年 54 巻 4 号 p. 698-703
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    35歳男性に生じたアレルギー性肉芽腫性血管炎の1例を報告した。3∼4年前から喘息発作を繰返しており, 3週間前に出現した両下腿, 前腕, 足背の紫斑, 糜爛, 潰瘍, 両肘頭部の丘疹, 結節を主徴として当科を受診した。白血球と好酸球の増多, 血沈亢進, CRP強陽性, RAテスト, RAHAの陽性化, 各免疫グロブリン(IgG, IgM, IgA, IgE)の血清濃度の上昇などの異常所見がみられた。紫斑部の生検標本では, 血管周囲性に好酸球, 好中球, リンパ球などの密な浸潤, 核塵の散在, 血管壁のフィブリノイド変性と破壊性の変化などが認められた。以上の所見から, 自験例をアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した。本症では皮膚病変を伴うことが多く, 喘息患者に, 紫斑, 糜爛などの皮疹を伴った場合, 本症を念頭において精査する必要があると考えられ, とくに皮膚の生検は有用性が高いと考えられた。
  • 佐藤 政子, 板見 智
    1992 年 54 巻 4 号 p. 704-707
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    4ヵ月, 男児。左肩甲部に有毛性淡褐色斑を認め, 病理組織学的に真皮に平滑筋の増生をみた1例を報告した。増生した平滑筋束は免疫組織反応において, 正常立毛筋と同様にデスミン陽性, ビメンチン陰性の所見を示すことより, よく分化, 成熟した立毛筋よりなる, 立毛筋母斑と診断した。また, 同様の皮疹が弟の右大腿にも認められた。
  • 斉藤 浩, 梁取 明彦, 山崎 雙次
    1992 年 54 巻 4 号 p. 708-712
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    爪下外骨腫の4例(16歳女性, 14歳男性, 14歳男性, 24歳女性)を経験した。本症は指趾の末節骨遠位端に生ずる単発性の骨腫瘍であり, 一般的に外傷が誘因となるとされているが, これまでの報告では明らかな外傷の既往を有する症例は少なく, また軽微な慢性反復性外傷を受けやすいスポーツ歴のある例もあまりみられない。自験例では4例中2例にスポーツ歴を認め, また他の2例中1例は外的刺激の既往を有していた。組織型は外骨腫型2例, 骨軟骨腫型1例, 混合型1例であった。治療は全摘が原則であるが, 小さなものでは皮切の形の如何をとわず慎重な手術操作により, また大きなものでは抜爪を行うことにより容易に摘出でき, 術後再発もなく全例経過良好であった。最近スポーツ熱は高く, 同様の症例が増加する可能性もあり, 早期の確実な診断, 治療が必要と思われた。
  • —Cytofluorometryによる核DNA量からみた検討を加えて—
    鈴木 一年, 藤澤 重樹, 森嶋 隆文
    1992 年 54 巻 4 号 p. 713-717
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Malignant trichilemmoma(mTr)の腫瘍巣は病理組織学的にclumping cell, dyskeratosisがみられ, Bowen病様の変化を示すbasaloid cellと, グリコーゲンに富み異型性の程度の軽いclear cellから構成される。この数ヵ月間で, 急速に増大した77歳男性の右下腿に生じたmTrについて, cytofluorometryを用いて腫瘍細胞をbasaloid cellとclear cellに分けて核DNA量を測定した。Normal lymphocyteのDNA量を2Cとすると, basaloid cellのDNA量のヒストグラムはaneuploidy patternを示し, 平均DNA量は10.3Cであった。Clear cellのDNA量のヒストグラムはpolyploidy pattern, 平均DNA量は4.2Cであった。病理組織学的にもbasaloid cellはclear cellより異型性が強かったが, 核DNA量の上でもそれを反映する所見が得られた。その理由として, 本腫瘍が基本的な毛包構造が保たれていることから, basaloid cellが細胞分裂能の強い基底細胞由来の細胞であり, 悪性腫瘍化したため, その傾向が顕著となりclear cellとの間に核DNA量の上で差が出たと考えられた。
  • —腫瘍内に著明な好中球浸潤を認めたいわゆる炎症型—
    水足 久美子, 城野 昌義, 小野 友道
    1992 年 54 巻 4 号 p. 718-721
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    1. von Recklinghausen病にmalignant fibrous histiocytoma(MFH)を合併した33歳女子例を報告した。
    2. 病理組織学的には, 腫瘍局所への著明な好中球浸潤と, 著しい末梢血白血球増多を特徴とし, いわゆる炎症型MFHと診断された。
    3. 自験例はMFH発症から1年3ヵ月で腫瘍死した。
    4. 本型の予後はその他の病理と比し不良であることを再認識させられた。
  • 小田 裕次郎, 田尻 明彦, 緒方 克己, 井上 勝平
    1992 年 54 巻 4 号 p. 722-726
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    31歳男子, 致死的な経過をとった皮膚筋炎の1例を報告した。プレドニゾロン30mg/日の連日内服でクレアチンホスホキナーゼ値(CPK)は, 正常範囲内に復したが, 呼吸困難は増強し間質性肺炎の進行が疑われたため, プレドニゾロン60mg/日に増量, パルス療法を行ったが, 縱隔気腫, 皮下気腫を併発し, 発病後約8ヵ月で死亡した。皮膚筋炎に間質性肺炎, 特に縱隔気腫を合併した症例の予後はきわめて不良であることを文献的検討を加えて考察した。
研究
  • 内田 尚之, 藤江 建志, 荒瀬 誠治, 二宮 啓郎, 中西 秀樹, 武田 克之
    1992 年 54 巻 4 号 p. 727-732
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ヒト頭皮より摘出した成長期毛包をコラーゲンゲル内に包埋後, minoxidil sulfate含有無血清培地で7日間培養した。無血清培地のコントロール群でも, 毛包·毛幹は7日間にわたり成長し, 毛幹は平均0.12mm/dayの割合で伸長した。Minoxidil sulfate 0.1, 1, 10μg/ml添加群においても, コントロール群と同様に毛包·毛幹は成長したが, 100μg/ml添加群では, 毛包·毛幹の伸長は有意に抑制され, 平均伸長率は0.06mm/dayであった。同時にminoxidil sulfateの培養ヒト外毛根鞘細胞におよぼす影響をin vitroで検討した結果, 0.1, 1μg/mlではコントロールに比べ, 外毛根鞘細胞のコロニー形成とコロニー増殖はわずかに促進されたが, 統計的に有意差はなく, 100μg/mlでは両者は有意に抑制された。一方, 10μg/mlではコントロールに比べ, コロニー形成は有意に抑制されたが, コロニー増殖は統計的に有意差はなかった。Minoxidil sulfateは, minoxidilの体内代謝物で, 種々の作用活性がminoxidilよりはるかに強いといわれているが, 本法でみるかぎり, 0.1, 1, 10μg/ml濃度のminoxidil sulfateに, ヒト成長期毛包の成長促進作用とヒト外毛根鞘細胞増殖促進作用は認められなかった。
  • 蜂須賀 裕志, 森 理, 大久保 慶二, 辛島 正志, 楠原 正洋, 笹井 陽一郎
    1992 年 54 巻 4 号 p. 733-736
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ミノキシジルは脱毛症に有効な薬剤である。われわれは表皮細胞をモデルとしてミノキシジルの作用機序について検討を行った。5%ミノキシジルをモルモット背部皮膚に7日間連日外用すると表皮基底細胞のS+G2+M期の細胞は対照群に比較して増加した。モルモット表皮より精製したprotein kinase C(PKC)はミノキシジルを加えても活性の上昇はみられなかった。マウス表皮細胞株Pam212細胞はミノキシジルを加えると, DNA合成が亢進したが, H-7(PKC inhibitor)によりその亢進が抑制された。ミノキシジルはPKCを介して毛母細胞を刺激し, 発毛を促す可能性が示唆された。
  • 佐藤 政子, 寺師 基子, 高安 進
    1992 年 54 巻 4 号 p. 737-740
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ダニ抗原に対しIgE-RASTスコア2以上の陽性を示すか, スクラッチテストで陽性を示した比較的難治性のアトピー性皮膚炎患者に, 当科外来においてダニ駆除の指導を行い, その臨床症状におよぼす影響を調査した。その結果, 充分なダニ対策を行うようになった43例中, 内服, 外用共に不要となり略治に至った「著明改善」例は3例(7.0%), 内服あるいは外用を時に行う程度で治まるようになった「改善」例は20例(46.5%), 内服, 外用を常に必要とするが, 以前より症状の改善がみられた「やや改善」例は15例(34.5%), 不変は5例(11.6%)であり, 全体として38例(88.4%)に臨床症状の改善が認められた。今回の調査はアンケートが主体であること, 他の治療法との併用の上に行われていることなど問題点はあるものの, ダニ対策の高い有用性が示唆された。
  • ダニ抗原に対するアレルギー反応の検出(パッチテスト, 血中特異IgE値, リンパ球刺激試験の比較検討)
    棚橋 朋子, 今山 修平, 宮原 裕子, 橋爪 民子, 久保田 由美子, 古賀 哲也, 堀 嘉昭, 武石 正昭, 福田 英三
    1992 年 54 巻 4 号 p. 741-746
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Dermatophagoides farinae(Df)に対する血中特異IgE値の測定と同じ抗原を用いたパッチテスト(PT)およびリンパ球刺激試験(LST)を同時に行い, アトピー性皮膚炎(AD)患者における三者の意義を比較検討した。AD患者では, 健常対照者にくらべて高率にDfによるPTおよびLST陽性者がみられた。三者のうち相関があったのは血中特異IgE値とLSTのみであり, 予想に反してPTとLSTには相関がみられなかった。AD患者は, Df抗原に対する特異的IgE値の高値と低値, PTの陽性と陰性の組み合わせにより4群に分けられたが, LSTの高度陽性者は血中特異IgEの高値かつPT陽性の群に限局して存在していた。
  • 古賀 哲也, 橋爪 民子, 今山 修平, 堀 嘉昭, 吉家 弘
    1992 年 54 巻 4 号 p. 747-750
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    23歳女性に発症した24金ピアスによる接触性皮膚炎について以下の検討を行った。金化合物によるパッチテストは陽性であった。金チオリンゴ酸ナトリウムを用いたリンパ球幼若化試験では540%と高い刺激比(SI)を示した。また, 患者末梢血単核球を同剤の存在下で72時間培養した培養上清にはIFN-γとIL-2活性が認められた。以上より, 患者末梢血中には金製剤を用いて刺激することにより増殖し, またIFN-γやIL-2というサイトカインを産生する, 金に特異的なT細胞が存在することが判明した。このようなサイトカイン産生能を有する金特異的T細胞が反応局所において金に対する遅延型過敏症を引き起こし, 皮疹が出現したことが示唆される。
  • 柴田 明彦, 森嶋 隆文
    1992 年 54 巻 4 号 p. 751-756
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    われわれは悪性黒色腫の術前の確定診断法として病巣表面からのスタンプ螢光法を開発した。本法は表面湿潤性隆起性病変に無螢光スライドグラスを圧抵し, formaldehyde gas処理を行うという簡易かつ迅速な方法である。悪性黒色腫の典型例と考えられた16例中14例が螢光法的に黒色腫であり, 螢光性腫瘍細胞が観察されなかった2例は非黒色腫例であった。螢光性腫瘍細胞の細胞型にはround, spindle-shaped, pleomorphicの3型がある。細胞型と原発巣の病型間にはかなりの相関があり, SSMはround cell type, NMやALMはpleomorphic cell typeを示すことが多かった。以上の結果から, 病巣表面からのスタンプ螢光法は, ときに診断が困難な悪性黒色腫の術前の確定診断法としてきわめて有用であると考えられた。
講座
  • —サイトカインとケラチノサイト—
    島田 眞路
    1992 年 54 巻 4 号 p. 757-764
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚免疫学は基礎免疫学をはじめとする基礎医学の発展につれ今日まで爆発的な勢いで進歩してきた。ある種の皮膚疾患の概念も新しい免疫学的視点をもたずには理解不可能なまでになってきた。本講座では, 表皮細胞の免疫学を最新の知見を含め概説するとともに, その基礎となる免疫学や細胞生物学·分子生物学の発展にふれ, さらにいくつかの皮膚疾患について免疫学的な視点から考えてみたい。便宜上, I部ではサイトカインを中心に, 細胞としてはケラチノサイトをとくにとり上げその免疫機能について述べる。II部では細胞接着分子と抗原提供機構について, 細胞としてはケラチノサイトとランゲルハンス細胞を主に扱う。III部ではT細胞レセプターについて述べる。上記の分類は便宜上のものなのでその都度他の分野の知見にもふれざるを得ない。また多少の重複はあるものと思うが, お許し願いたい。
統計
  • 坂元 孝栄, 水谷 仁, 清水 正之
    1992 年 54 巻 4 号 p. 765-769
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    昭和55年1月から平成元年12月までの10年間に三重大学皮膚科において経験した乳房外Paget病33症例につき統計的観察を行った。1)Paget病患者の入院患者総数に対する割合は1.22%, 悪性腫瘍患者総数(基底細胞上皮腫およびボーエン病を除く)に対する割合は11.9%であった。2)男性24例, 女性9例で初診時平均年齢は70.3歳。3)発生部位は外陰部が最も多く31例(91.2%), 肛門部·腋窩部各1例であった。4)発病から受診までの期間は平均33.4ヵ月。5)全例に広範囲切除術を施行した。切除範囲決定のため原則としてmultiple biopsyを行い切除範囲を決定した。切除範囲は肉眼的辺縁より3cm以上離して切除したものが多く全体の70%を占めた。深さは脂肪織深層から筋膜直上で切除した分層植皮あるいはメッシュ植皮により修復した。6)経過を追求できた31例中死亡例は4例で, うち1例は老衰死, 3例は腫瘍死であった。7)外科療法に際しては, 患者の年齢を考慮のうえ機能的重要部位をできるだけ温存する方針にて満足できる予後が得られている。
治療
  • Meropenem研究班
    1992 年 54 巻 4 号 p. 770-775
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    われわれは多施設協同研究により, 新しく開発された注射用カルバペネム系抗生物質meropenem(MEPM)を皮膚科領域感染症患者に投与し, その臨床効果を検討した。MEPMの抗菌力, 皮膚組織移行についても検討した。投与対象となったのは比較的重度の49症例であり, 1日500mgあるいは1000mgを3∼16日間投与した。成績は, II群のせつ, せつ腫症およびIV群の蜂窩織炎, 丹毒, 表在性リンパ管炎に対しては, 有効率100%(24/24)であったが, V群の慢性膿皮症およびVI群の二次感染に対しては, きわめて重症なものがあったため有効率は, 各77.8%(7/9), 69.2%(9/13)とやや低かった。副作用および臨床検査値異常は特に重大なものはみられなかった。主な起炎菌であるStaphylococcus aureusの消失率は80%(12/15)であった。また, 治験で分離されたS. aureus 12株に対するMEPMのMIC50は0.39μg/mlであった。MEPM 0.5gを30分かけて点滴投与した後の皮膚内移行を検討したところ, 投与終了後30分では12.6μg/g, 3時間では0.45μg/gでMIC50の値を上回り, MEPMの優れた臨床成績を裏付けていた。
  • 籏持 淳, 植木 宏明
    1992 年 54 巻 4 号 p. 776-778
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    難治性の円形脱毛症28例に対してヒスタグロビン®, ノイロトロピン®併用療法を施行した。28例中15例(54%)に有効性が認められた。アトピー性皮膚炎合併例は12例で, うち9例(75%)に有効性が認められた。以上より, ヒスタグロビン®, ノイロトロピン®併用療法は難治性円形脱毛症, 特にアトピー性皮膚炎合併例には試みてよい療法と考えられた。
  • 桐生 美麿, 堀 嘉昭, 安田 勝, 佐藤 恵実子, 吉利 優子, 占部 篤道
    1992 年 54 巻 4 号 p. 779-783
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    0.1% dexamethasone 17,21-dipropionateのローション剤であるTHS-101Lの有用性を湿疹·皮膚炎群, 痒疹群, 円形脱毛症を対象としたopen trialにて検討した。解析対象症例数は, 湿疹·皮膚炎群43例, 円形脱毛症11例であったが, 痒疹群は1例のみであり, 参考として安全性のみの解析対象とした。最終全般改善度において, 「かなり軽快」以上の改善率は湿疹·皮膚炎群で81.4%(35/43), 円形脱毛症で54.5%(6/11)であった。また, 湿疹·皮膚炎群において被髪頭部を被験部位とした症例の改善率は, 78.6%(22/28)であった。副作用はいずれの症例においても認められず, 「有用」以上の有用率は, 湿疹·皮膚炎群で83.7%(36/43), 円形脱毛症で54.5%(6/11)であり, 0.1% dexamethasone 17,21-dipropionate軟膏·クリーム(メサデルム®軟膏·クリーム)の一般臨床試験成績と差のない有用率が得られた。以上の結果よりTHS-101Lは高い有効性と安全性を有し, ローション剤の外用が適した有毛部位のみならず, 通常皮膚への適用においても有用な薬剤であると考えられた。
  • 広島オキサトミド研究班
    1992 年 54 巻 4 号 p. 784-790
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    オキサトミド60mg/日投与とステロイド外用にて, 皮膚症状が軽快しているアトピー性皮膚炎患者において, ステロイド外用状況を変えることなくオキサトミドを減量し, 皮膚症状の推移を観察した。その結果, 4週後の観察でオキサトミド60mg/日を継続投与した群では, その悪化率は2.9%にすぎなかったが, オキサトミド30mg/日に減量した群では, 悪化率は18.5%であり, 無投与群のそれは48.0%であった。その悪化傾向は, オキサトミド減量後1週目にすでにみられはじめ, 期間の経過にしたがって増加する傾向がみられた。悪化した皮膚症状のうち, そう痒の悪化がとくに顕著であった。これらの結果は, 抗アレルギー薬であるオキサトミドがアトピー性皮膚炎の抑制に有効であることを示唆している。
  • 田村 多繪子, 石川 治, 竹内 陽一, 定方 弘海, 石川 英一, 渡辺 剛一, 村上 靜幹, 割田 昌司, 工藤 隆弘, 前田 秀人
    1992 年 54 巻 4 号 p. 791-799
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    そう痒性皮膚疾患である蕁麻疹, アトピー性皮膚炎·汎発性神経皮膚炎, 皮膚そう痒症の60例を, oxatomide1日60mgを一括投与する群と1日2回に分割投与する群とに2分し, 副作用, 効果などに差があるか否かを検討した。眠気, 倦怠感などの副作用はほぼ同率に出現し, 一括投与をしても副作用は回避できなかったが, そのために重篤な症状を認めることはなかった。他方, 臨床効果, 総合評価の上では, いずれの疾患でも従来の報告とほぼ同様の良い成績が得られた。
  • 東京医科歯科大学アゼプチン研究班
    1992 年 54 巻 4 号 p. 800-806
    発行日: 1992/08/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    慢性蕁麻疹177例, アトピー性皮膚炎126例を対象として塩酸アゼラスチン(アゼプチン®以下アゼプチン)の臨床効果, 安全性および有用性について検討した。両疾患ともに全般改善度で87.5%, 86.5%と高い改善率(改善以上)が得られた。また皮膚症状別改善度でも全般的に優れた改善度を認めたが, 特にそう痒については両疾患とも高い改善率を示した。副作用はそれぞれ2.8%, 7.9%にみられたが, ほとんどが軽い眠気程度のもので, 内服を中止せざるを得ないような重篤な副作用は認められなかった。安全性を加味した有用度は, 慢性蕁麻疹で有用以上が87.6%, やや有用以上が94.4%, アトピー性皮膚炎では有用以上が85.7%, やや有用以上が96.8%であった。以上より, 本剤による慢性蕁麻疹およびアトピー性皮膚炎の治療は臨床的に有用性の高いものと考えられた。
世界の皮膚科学者
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