西日本皮膚科
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治療
キチン創傷保護材(ベスキチンW®)の臨床検査(I)
—北海道地区多施設による比較対照試験の成績—
大浦 武彦皆川 英彦
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ジャーナル 認証あり

1992 年 54 巻 5 号 p. 998-1004

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抄録

創傷被覆保護材ベスキチンW®はすでに皮膚欠損傷に対して多くの臨床応用がなされている。今回さらにこの臨床上の特性を明らかにするために採皮創に対してLPD®(凍結乾燥豚真皮)とのハーフサイドテストを多施設で行い, 検討した。その結果, ベスキチンW®は貼付後に止血, 鎮痛効果という創部の治療に必須な要因がとくに良好であるという点が特色と考えられた。これらは密着性の良さ, 融解しにくいという点が関与すると考えられ, また, この密着性および融解耐性は治療の上で使用しやすいということにもつながっている。また, 上皮化も速く, 治癒後の創面も滑らかである点も好ましいと考えられた。したがって, ベスキチンW®は現在使用されているバイオロジカルドレッシングの中でもとくにバランスのとれた材料であると考えられた。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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