西日本皮膚科
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治療
アレルギー性皮膚疾患に対するオキサトミドの臨床薬理学的検討
—アトピー性皮膚炎·蕁麻疹における1日1回投与法について—
大屋 尚之宮内 惠宮野 径彰大久保 雄一丸山 茂樹
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1993 年 55 巻 1 号 p. 123-132

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抄録

抗アレルギー剤オキサトミド1日60mg 1回投与(以下60mg分1)の可能性と安全性について, 健常成人男子による単回投与およびその14日間連続投与による血中濃度, アレルギー性皮膚疾患の患者に対する分1·分2投与クロスオーバー試験による臨床効果の検討を行った。
1. オキサトミド60mg分1連続投与では, 投与後6日目付近より未変化体の血中濃度は定常状態となった。また, 定常時の血中濃度は, 単回投与時パラメーターからのシミュレーションよりもやや高い値を示し, また消失相の半減期も延長した。
2. 活性代謝物M-11の血中濃度も未変化体と同様の変化を示し, ヒトにおいてM-11がオキサトミドの臨床効果発現に関与しているものと考えられた。
3. オキサトミドの60mg分1と分2投与(以下60mg分2)でのアレルギー性皮膚疾患に対する臨床効果はほぼ同等であり, 安全性の面で60mg分1に問題はなかった。
以上の結果から, オキサトミドの60mg分1は, 60mg分2と同等の効果と安全性が期待され, 患者の状況によって試みても良い投与法と考えられた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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