西日本皮膚科
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症例
メフェナム酸による固定薬疹
—パッチテストの有用性について—
横尾 雅子籏持 淳岡 大介植木 宏明
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ジャーナル 認証あり

1993 年 55 巻 4 号 p. 670-673

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抄録
メフェナム酸による固定薬疹の2症例を報告した。症例1は49歳女子。メフェナム酸内服後, 四肢に紅斑が出現し同部におけるメフェナム酸のパッチテストにて陽性を示した。症例2は12歳女子。メフェナム酸内服後, 腹部に小児手掌大までの発疹が数個出現した。皮疹部において通常のパッチテストは陰性であったがスクラッチパッチテストでメフェナム酸に陽性を示した。文献上, 固定薬疹におけるパッチテストの陽性率は低く, 一般的に診断には内服誘発試験が用いられることが多いが, 自験例を含めメフェナム酸による固定薬疹の場合はパッチテスト陽性率は高く, とくに皮疹部におけるそれが診断上有用と考えられた。
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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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