西日本皮膚科
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治療
新規チオカルバメート系抗真菌剤Liranaftate(M-732)クリームの白癬に対する臨床的検討
—治療期間と治療効果発現との関係—
Liranaftate第1研究班
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1993 年 55 巻 4 号 p. 759-770

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抄録

新規チオカルバメート系抗真菌剤2%M-732含有クリームの1日1回塗布による足白癬, 体部白癬, 股部白癬に対する有効性, 安全性および有用性を検討する目的で全国18施設からなる共同研究班を組織し, 一般臨床試験を実施した。回収された総症例数は350例(足白癬215例, 体部白癬86例, 股部白癬49例)であった。皮膚症状と菌検査の結果を考慮した最終総合効果判定(足白癬では4週目, 体部白癬および股部白癬では2週目)における有効以上の有効率は, それぞれ足白癬は68.6%, 体部白癬は85.2%, 股部白癬は94.1%であった。本剤は, さらに長期間使用すると, 総合効果の有効率は高くなり, 足白癬では7週目, 体部白癬および股部白癬では4週目にそれぞれの有効率は100%となった。このことから, 白癬の治療において, 足白癬では7週間以上, 体部白癬および股部白癬では4週間以上, 本剤を使用することが望ましいものと考えられる。一方, 副作用は299例中3例(1.0%)に発現したが, いずれも接触皮膚炎で塗布部位に限局された副作用であった。いずれの疾患とも薬剤に起因すると思われる臨床検査値異常変動は認められなかった。また, 最終判定日における有用性は有用以上の有用率でそれぞれ足白癬は71.2%, 体部白癬は88.5%, 股部白癬は97.1%であった。以上の成績から, 2%M-732クリーム剤は, 有効性の高い安全な薬剤であり, 白癬治療に対し有用な薬剤であると考えられる。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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