西日本皮膚科
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治療
重症乾癬に対するシクロスポリンA内服療法
—長期間の投与例とその経過について—
春原 晶代辻 卓夫横田 径子
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1993 年 55 巻 4 号 p. 778-784

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抄録

重症でかつ他の治療に抵抗性であるかあるいは副作用のために他の治療が行えないかのいずれかの乾癬患者4例にシクロスポリンA内服治療を行った。投与量は症例に応じて初期量3∼5mg/kg/日で開始し, その後症状をみながら適宜増減した。内服期間は6ヵ月から27ヵ月で, うち2例は25ヵ月と27ヵ月という長期間であった。全例最終観察日でのPASIスコアは内服前より改善しており, その改善率は36.8∼67.5%であった。1例で脂肪肝によるGOT, GPTの上昇があり, 内服を中止した。また1例で軽い高血圧がみられた。しかし腎機能障害は1例もみられなかった。シクロスポリンA内服は, 重症でかつ他の治療に無効あるいは副作用を示す乾癬患者に対し有用であり, 長期間内服を行っても比較的安全な治療法であると考えられた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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