西日本皮膚科
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症例
同一家系内に発症した多発性立毛筋平滑筋腫の4例
高宮城 敦野中 薫雄真栄平 房裕宮里 肇上里 博
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1994 年 56 巻 2 号 p. 246-251

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抄録
家族内発症した多発性立毛筋平滑筋腫の4例を報告した。いずれも20歳頃より発生しており, 発生部位は頸部, 体幹, 四肢等一定していないが, 限局した領域に集簇して左右非対称性であった。大きさは径20mmまでの丘疹ないし結節で, 比較的大きい皮疹に圧痛や自発痛を伴う傾向があった。治療として圧痛や自発痛のある皮疹を切除した。以後皮疹の再発はみられない。組織学的には典型的な平滑筋腫の像を呈した。Estrogen receptorに対する抗体を用いた免疫組織化学染色にて腫瘍細胞の胞体および核内は弱陽性を示した。この事から, 本腫瘍がestrogen感受性の腫瘍である事が推察された。本腫瘍の発生機序に関し若干の考察を加えた。
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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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