西日本皮膚科
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56 巻 , 2 号
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図説
綜説
症例
  • 筒井 清広, 広根 孝衞, 田丸 陽一
    1994 年 56 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    12歳の男児。9歳時にアレルギー性鼻炎, 副鼻腔炎に罹患。初診の1ヵ月前に38℃台の発熱, 湿性咳嗽, 血痰, 腹痛, 下痢, 関節痛に引き続き, 四肢に紫斑·水疱が出現した。臨床検査では, 血尿·蛋白尿·赤沈亢進·好酸球増多·RF高値と胸部X線写真で中下肺野に間質陰影が認められた。下肢の紫斑の生検でleukocytoclastic vasculitisがみられ, 免疫螢光染色直接法で真皮全層の血管壁にIgG·IgMの沈着が認められた。腎生検で壊死性糸球体腎炎が, 肺生検で肺出血と間質性肺炎がみられた。プレドニゾロン(PSL)1日45mg内服1ヵ月後, 血尿と蛋白尿は依然認められたが, その他の臨床症状は消退した。PSL 1日20mgまで漸減したとき, 38℃台の発熱, 湿性咳嗽, 体幹·四肢の紫斑が再発した。PSL 1日45mgとサイクロフォスファマイド1日100mgの併用1ヵ月後, 血尿と蛋白尿を除く臨床症状は消退し, 6ヵ月後寛解した。
  • 工藤 澄子, 樋口 道生, 滝内 石夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 224-228
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    成人Still病の経過中に劇症肝炎を合併した21歳の女子の1例を報告した。10ヵ月前に発熱, 関節痛, 紅斑が一過性に生じた。2週間前から同様の症状が出現, 紅斑は発熱時に認められ, 一見蕁麻疹様でKöbner現象陽性であった。白血球増多, GOT, GPT, LDHの上昇, 血清フェリチン値の増加をみたがリウマトイド因子は陰性であった。ステロイドが奏効したが, 再燃時に劇症肝炎を合併した。肝炎ウイルス抗原は陰性。再燃時発熱にともなう一過性紅斑に加え, より長時間持続する紅斑と発疹後色素沈着を認めた。成人Still病の肝障害はまれながら劇症化する。予後は良好とされる成人Still病であるが, 十分な経過観察が必要と思われた。
  • 篠田 勧, 矢野 貴彦, 大越 裕章, 林 雄三, 益田 正美
    1994 年 56 巻 2 号 p. 229-234
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    73歳の女性。平成2年4月頃に, とくに誘因なく顔面を除くほぼ全身に, 小豆大の紅色あるいは正常皮膚色の丘疹が出現した。これらの皮疹の中央部に白色の萎縮性局面を伴うものや, 痂皮を伴っているものもみられた。個疹は数週間から2ヵ月間程度で瘢痕を残さず消退した。皮疹はそう痒, 疼痛などはないが, 種々の外用, 内服療法にても治癒しなかった。腹部症状, 中枢神経症状はみられなかった。白色萎縮性局面を伴った皮疹部の生検にて, 表皮を底辺として真皮層にかけてのくさび型の凝固壊死像がみられ, くさびの先端に一致する部分の壁の部に, 変性像および内腔閉塞像を伴う小血管がみられたことから, 悪性萎縮性丘疹症と診断した。消化器系の精査を行うも著変なく, 凝固系にも異常はみられなかった。現在プロスタグランジンI2内服にて経過観察中である。
  • —血中銀濃度と原因薬剤に関する検討—
    田中 敬子, 長田 愉以子, 島雄 周平, 川村 和徳, 斎藤 憲輝, 田中 彰
    1994 年 56 巻 2 号 p. 235-238
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    57歳の女性, 広範囲熱傷(受傷面積80%, II-III度, burn index 70%)患者に受傷後3日目に急速な白血球減少, 血小板数減少がみられた。薬剤中止により回復した。熱傷の治療に用いられたH2 blockerやsilver sulfadiazineの血中濃度の検討を行った。銀は外用後急速に吸収されるが排泄は遅かった。銀の存在はH2 blockerの副作用発現を促進したと考えられ, 熱傷の早期にH2 blockerとsilver sulfadiazineの併用投与には注意を要するものと思われる。
  • 安野 佳代子, 松永 若利, 吉岡 進
    1994 年 56 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    9ヵ月の女児。出生時より気付かれていた臀部の皮下腫瘤を摘出した。腫瘤は仙尾部皮下から尾骨の下部にあり, その一部は尾骨前面に達していた。病理組織学的に成熟型奇形腫で, 悪性所見は認められなかった。仙尾部奇形腫は, 生後の時間経過とともに悪性化率が高くなるといわれている。仙尾部の皮下腫瘤は本疾患を念頭におき, MRIなどを用いた積極的な診断, そして早期の摘出がなされなければならない。
  • 稲地 真, 水谷 仁, 清水 正之
    1994 年 56 巻 2 号 p. 243-245
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
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    手指末節骨に腫瘍の発生を伴った遺伝性多発性外骨腫症を経験した。症例は14歳の女子。父および父方の祖父に同症がある。四肢に骨様硬の皮下腫瘤が多発し, 左第2, 3指の爪甲の変形が出現した。X線上, 末節骨に外骨腫を認めたが腫瘍は末節骨背側中央部に存在し, 末節骨の骨皮質と連続して認められ, いわゆる外傷性の爪下外骨腫とは異なった臨床像を呈した。
  • 高宮城 敦, 野中 薫雄, 真栄平 房裕, 宮里 肇, 上里 博
    1994 年 56 巻 2 号 p. 246-251
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    家族内発症した多発性立毛筋平滑筋腫の4例を報告した。いずれも20歳頃より発生しており, 発生部位は頸部, 体幹, 四肢等一定していないが, 限局した領域に集簇して左右非対称性であった。大きさは径20mmまでの丘疹ないし結節で, 比較的大きい皮疹に圧痛や自発痛を伴う傾向があった。治療として圧痛や自発痛のある皮疹を切除した。以後皮疹の再発はみられない。組織学的には典型的な平滑筋腫の像を呈した。Estrogen receptorに対する抗体を用いた免疫組織化学染色にて腫瘍細胞の胞体および核内は弱陽性を示した。この事から, 本腫瘍がestrogen感受性の腫瘍である事が推察された。本腫瘍の発生機序に関し若干の考察を加えた。
  • 桐原 義信, 丸田 耕司, 末永 義則, 旭 正一
    1994 年 56 巻 2 号 p. 252-255
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    44歳の女性に生じた皮膚平滑筋肉腫の1例を報告した。左肩甲骨下部の25×36mmの褐色局面で, 弾性硬の皮下結節を触れた。病理組織学的には, 真皮上層から皮下脂肪織にかけて紡錘形細胞が膠原線維間に, 不規則に増生しており, 核の大小不同·異常分裂像が認められた。電顕的には, 凹凸の強い核がみられ, 細胞質内小器官は乏しかった。胞体内細線維は認められたが, dense bodyやbasement membraneは不明瞭であった。
  • 武下 泰三, 八島 豊, 奥江 章
    1994 年 56 巻 2 号 p. 256-258
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    von Recklinghausen病の40歳の女性の腰部に硬い皮下腫瘤を認め, 組織学的に悪性神経鞘腫と診断した。免疫組織化学的にはS100蛋白, neuron specific enolase, vimentinが陽性であった。悪性神経鞘腫を早期に発見し適切な手術治療を行うためには, von Recklinghausen病患者の定期的な注意深い経過観察が必要である。
  • 亀山 孝一郎, 酒井 智恵, 吉沢 正浩, 広瀬 隆一
    1994 年 56 巻 2 号 p. 259-261
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は65歳の男性。平成3年12月頃より頸部, ついで両側前腕, 両側鼠径部, 恥骨部に自覚症状を伴わない柔らかい腫瘤が出現した。病理組織学的には成熟した脂肪細胞がencapsulatedされずに増殖しており, benign symmetric lipomatosisと診断した。
研究
  • 中山 樹一郎, 占部 篤道, 太田 浩平, 堀 嘉昭
    1994 年 56 巻 2 号 p. 262-266
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    von Recklinghausen病(neurofibromatosis)の神経線維腫には血管内皮細胞以外にマクロファージに一致して塩基性線維芽細胞増殖因子の局在が観察された。本増殖因子の神経線維腫増殖への関与の作用メカニズムを検討する目的で癌遺伝子c-fosが本腫瘍に発現されているかどうかを抗c-fos抗体を用いて免疫螢光染色法にて観察した。その結果, 腫瘍巣および腫瘍辺縁の間質に核が強陽性に染色される細胞が多数観察された。本腫瘍における癌遺伝子c-fosの発現の意義は現時点では不明であるが, 神経線維腫細胞の分化, 増殖に何らかの関与があるものと推測された。
  • 山本 暢宏, 蜂須賀 裕志, 松崎 美也, 笹井 陽一郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 267-272
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    水疱治癒後に瘢痕をのこす優性栄養障害型表皮水疱症には, 腰背部に白色丘疹を生ずるPasini型と生じないCockayne-Touraine型とがある。われわれはすでに, この白色丘疹の部位に脱硫酸化デルマタン硫酸が異常に存在すること, および尿中に同様物質が排泄されることを報告した。今回は白色丘疹部の物質について, 組織化学的, 免疫組織化学的により詳細に検討した。電解質濃度法による染色標本を偏光顕微鏡をもって観察することによりalcian Blueやtoluidine Blueに対する親和性は, 塩化マグネシウム0.3Mの存在において著明に減少することが確かめられた。またこの親和性は, Streptomyces hyaluronidase消化によっては変化せず, chondroitinase ABC消化によって著明に減少した。免疫組織化学的には, デルマタン硫酸のコア部分と反応する抗体2B1や6B6の結合がみられた。これらのことは, alcian Blueやtoluidine Blueに親和性をもつものは脱硫酸化したデルマタン硫酸であることを示すものと考える。
講座
統計
  • 加藤 直子
    1994 年 56 巻 2 号 p. 280-287
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    最近4年間(1989年∼1992年)に当院で経験した蜂刺症84例を対象として, 年度別·月別の患者数, 患者の性および年齢, 刺症部位, 刺症反応の程度などにつき検討した。蜂刺症は1990年と1991年に多く, 8月をピークとして5月から10月までの6ヵ月間に認められた。男性53例, 女性31例と63%が男性に認められ, 年齢別では9歳以下と30歳代と40歳代など, 屋外での活動性の高い年齢層に多かった。また刺症部位は上肢および頭頸部などの露出部に多かった。アナフィラキシーショックを呈する重症全身反応(2例)や, 蕁麻疹, 悪心, 嘔吐などを呈する軽症全身反応(6例)は合計で8例(9.5%)に認められた。蜂種の調査からアナフィラキシーショック例は2例ともコアシナガバチによる刺症であった。また遷延型局所反応例は7例(8.3%)で, 中にはクロスズメバチ類によるリンパ管炎併発例も認められた。
  • 伊藤 文彦, 松尾 忍, 飯塚 一
    1994 年 56 巻 2 号 p. 288-293
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    1978年1月から1992年12月の15年間に旭川医科大学皮膚科を受診した帯状疱疹患者416例について統計的観察を行った。患者数は男201例, 女215例, 総数416例で, 外来新患患者総数の平均1.66%を占めた。年度別患者数はほぼ一定であり増加傾向はみられず, 月別では3月と5月および8月から10月にかけてやや多い傾向がみられた。年齢別では20歳代と50∼60歳代に2つのピークを持つ2峰性の分布を示した。発症部位は, 胸部, 頭顔, 腰下肢の順に多く, 50歳以上では頭顔, 頚肩の発症が多くみられた。基礎疾患としては, 悪性腫瘍70例(16.8%), 高血圧44例(10.5%), 糖尿病15例(3.6%)が多く, 膠原病は5例(1.2%)であった。汎発化を認めたものは25例(6.3%)で, 50歳以上群, 頭顔·頚肩発症群, 悪性腫瘍·膠原病を基礎疾患とする例に多かった。帯状疱疹後神経痛の持続期間は頭顔·頚肩発症群, 50歳以上群で長くなる傾向がみられた。Hunt症候群は5例(1.2%)にみられ, 外耳帯状疱疹, 顔面神経麻痺, 内耳神経症状の3主徴をそろえる完全型は2例, 内耳神経症状を欠く不全型が3例であった。眼症状を伴ったものは10例(2.4%)で顔面発症例の5.3%を占め, そのうち8例は三叉神経第1枝領域, 2例は第2枝領域の帯状疱疹に伴っていた。
  • —第4報 本症の予後に関する調査研究—
    野上 玲子, 前川 嘉洋, 中村 猛彦
    1994 年 56 巻 2 号 p. 294-299
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    1989年7月1日から1991年6月30日の観察期間における熊本県の全身性強皮症患者の疫学および予後調査を行った。女性130, 男性16, 計146人の患者が把握され, 観察期間中に4人が死亡した(全例女性, 平均年齢62.25歳, 2年間の致死率3.92%)。観察期間内の経過が明らかな65人を軽快, 不変, 進行の3群に分け, 各群の臨床的特徴をみたところ, 手指短縮の有無と慢性関節リウマチのオーバーラップの有無に有意な関連がみられた。またこれら3群は近位部硬化, 強指症, 手指短縮, レイノー症状, 瀰漫性色素沈着の改善または悪化と有意な相関を有していた。
  • 井上 稲子, 清島 真理子, 前田 学, 森 俊二, 藤広 満智子, 鹿野 由紀子
    1994 年 56 巻 2 号 p. 300-304
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    1979年1月から1993年4月までの約14年間に岐阜大学皮膚科を受診したケルスス禿瘡について統計的観察を行った。1)症例数は22例, 年平均1.5例であり, 明らかな増加傾向はみられなかった。2)男女比は13:9で男性が女性の約1.5倍みられた。15歳以下の小児が19例と全体の86%を占め, とくに10歳以下の症例が18例あった。成人発症例は全例女性で60歳以上の患者であった。3)原因菌種はTrichophyton rubrum 10例, Microsporum canis 9例, M. gypseum 1例, T. violaceum 1例, 不明1例であり, T. rubrum, M. canisが多かった。4)発症時期は冬期が11例と最も多く, 罹患部位は頭頂部を含む症例が17例と全体の約3/4を占めた。5)感染源としてイヌ1例, ネコ5例が疑われた。6)半数の11例にステロイド剤の外用の既往を認めた。7)家族内発症は7例(31.8%)にみられ, 兄弟間発症が5例, 親子間, 夫婦間発症が1例づつであった。8)治療は抗真菌剤(グリセオフルビン)の内服を行い, 二次感染に対しては抗生剤の内服を併用した。
治療
  • 漆畑 修
    1994 年 56 巻 2 号 p. 305-309
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    低刺激性石鹸であるコンテス·スキンケアソープ®を各種皮膚疾患患者に使用させ, その安全性と有用性について検討した。対象とした症例はアトピー性皮膚炎41例, 急性湿疹7例, 酒さ様皮膚炎4例, 接触皮膚炎3例, 脂漏性皮膚炎2例, 慢性湿疹2例, 乳児湿疹1例, 乾皮症8例, 尋常性ざ瘡2例の合計70例であった。その結果, 70例中67例(96%)が有用ないしやや有用の判定であった。また, 皮疹に対し悪影響をおよぼした症例は1例もなく, 使用感の総合評価で使用感が悪いとした患者もいなかった。以上より, コンテス·スキンケアソープ®は皮膚刺激性が低く, 安全かつ有用で, 使用感の良い石鹸であると考えられた。
  • —Very Strong系またはStrong系に属する市販外用ステロイド剤との左右比較試験—
    矢口 均, 高森 建二, 森岡 真治, 小川 秀興, 種田 明生, 中島 澄乃, 森川 敦子, 池田 志斈, 西村 久美子, 岩原 邦夫, ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 310-316
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    湿疹·皮膚炎群の患者を対象とし, エクラー®軟膏·クリームの有効性, 安全性, 有用性および使用感を市販のvery strong(VS)·strong(S)系に属する外用ステロイド軟膏またはクリームと比較した。(1)調査実施症例は軟膏50例, クリーム31例であった。(2)用いられた対照薬は, 軟膏ではVS群11例, S群38例, その他1例, クリームではVS群5例, S群17例, medium群2例であった。(3)最終全般改善度は, 軟膏·クリームともに, 被験薬と対照薬の比較において両群間に有意差は認められなかった。(4)「安全」性は被験薬, 対照薬ともに100.0%であり, 副作用は認められなかった。(5)有用性は軟膏·クリームともに, 被験薬と対照薬の比較において両群間に有意差は認められなかった。有用性の優劣比較成績では, 軟膏の総解析例およびS群との比較では被験薬が対照薬より優れているとの判定が有意に多く認められたが, VS群およびクリームについては有意差は認められなかった。(6)患者の印象は, 軟膏では6項目中5項目で, クリームでは4項目で対照薬に比べ本剤のほうが良かったと判定された症例が多かった。以上, エクラー®軟膏およびクリームはVS系に属する市販外用ステロイド剤とは同等の, S系に対しては明らかに勝る薬効を有し, 昨今重視されるQOLの点から施行した患者アンケートでは既存の外用剤に比べ, より不快感が少なく, 使用感の良い薬剤であるとの結果が得られた。
  • 窪田 泰夫, 大竹 直人, 八坂 なみ, 古屋 勉, 斉藤 敦, 曹 慶洙, 高山 修身, 島田 眞路, 玉置 邦彦
    1994 年 56 巻 2 号 p. 317-322
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    高齢者で, とくに精神的要素の関与が強く示唆される皮膚そう痒症7例, 皮脂欠乏性湿疹24例計31例に対して, ステロイドあるいは非ステロイド系軟膏を用いる従来の治療に心身安定剤ロフラゼブ酸エチル(メイラックス錠®)の内服を加え, 心身医学的視点に立って臨床効果を検証した。また心身安定剤を併用することによりステロイド軟膏をよりマイルドなものに切り替えられるかについても検討した。最終全般改善度は全31症例のうち著明改善16例(51.6%), 中等度改善以上24例(77.4%)であった。疾患別の評価では皮膚そう痒症は中等度改善以上7例中6例(85.7%), 皮脂欠乏性湿疹は中等度改善以上24例中18例(75.0%)であった。症状の推移については, 皮膚症状, 精神症状, 睡眠状況とも投与前と比較して, 投与2週および4週後と経時的に正常へと推移した。とくにそう痒についてはメイラックス®投与前の高度, 中等度計22例が投与4週後には完全に症状が消失した。またメイラックス®内服との併用によりマイルドなステロイド軟膏に切り替えることができ, ステロイド外用の副作用の減少にも役立つものと思われる。今後高齢者で, とくに精神的要素の関与が強く示唆される皮膚疾患に対して, メイラックス®の併用は積極的に試みる治療法のひとつとなろう。
  • 今 淳, 今泉 孝, 橋本 功
    1994 年 56 巻 2 号 p. 323-326
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者20例を対象として, ニンニク入り浴用剤ハピーライフ風呂の治療補助効果および安全性について検討した。その結果, 皮疹の紅斑および乾燥に対する改善度は90%であった。また, 丘疹, 鱗屑およびそう痒感に対する改善度はそれぞれ80%であり, 最終的に90%の高い治療補助効果が認められた。副作用は認められず, 患者アンケート調査においても高い評価を得た。以上から, ハピーライフ風呂はアトピー性皮膚炎患者に対し, 有用かつ安全性の高い浴用剤であると考えられた。
  • 米元 康蔵, 西山 茂夫, 衛藤 光, 川野 信子, 金丸 哲山, 勝岡 憲生, 向井 秀樹
    1994 年 56 巻 2 号 p. 327-334
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    局所抗炎症作用が強く, かつ局所および全身的副作用が少ないことを特長とした, メサデルム®軟膏と角化改善作用の認められているザーネ®軟膏との混合剤と, メサデルム®軟膏と血行促進保湿作用の認められているヒルドイド®軟膏との混合剤の臨床効果ならびに安全性を比較検討した。アトピー性皮膚炎, 皮脂欠乏性皮膚炎およびそれ以外の湿疹·皮膚炎, 痒疹, 尋常性乾癬, 掌蹠膿疱症を対象疾患とした。全般改善度においては, 両混合剤ともに優れた臨床効果を示した。治療開始2週目の効果判定において, 皮脂欠乏性皮膚炎のみ両混合剤で有意差が生じ, ヒルドイド®混合剤が優っていた。全般的に両混合剤とも使用感に優れ, 副作用もまったく認められず, 高い有用性を示した。以上のことより, メサデルム軟膏とザーネ®軟膏との混合およびメサデルム®軟膏とヒルドイド®軟膏との混合は, ともに各種皮膚疾患に対し応用価値の高い混合剤であると考えられた。
  • 石川 博康, 今泉 孝, 橋本 功, 菊池 朋子
    1994 年 56 巻 2 号 p. 335-340
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    皮膚潰瘍11例に対して新しく開発された創傷被覆材カーボパッド®を使用し, その臨床効果を検討した。投与対象は難治性の潰瘍11例であり, 病変部消毒後にカーポパッド®の密封貼付を7日∼28日間行った。成績は, 11例中10例(90.9%)に有効性が認められた。とくに高齢者における褥瘡に対しては, 10例中10例(100%)と高い有効率を認めた。難治性糖尿病性潰瘍症例に二次感染を併発したほかは, 接触刺激などの副作用は1例もみられなかった。以上から, カーボパッド®は難治性皮膚潰瘍, とくに褥瘡に対しては試みて良い創傷被覆材と考えられた。
  • 森田 明理, 菅野 重, 水谷 伸, 辻 卓夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 341-345
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    ミゾリビンは骨髄抑制, 肝·腎障害などの副作用がきわめて軽微でありながら, すぐれた移植拒絶反応の抑制効果を有する薬剤であり, 臓器移植以外の他の疾患にも臨床応用され, 一定の効果が認められている。今回, 尋常性天疱瘡2例に対してプレドニゾロンにミゾリビンを併用し良好な効果を得た。症例1ではプレドニゾロンとアザチオプリンとの併用で皮疹は難治性であったが, 本療法に変更後著しい改善がみられた。症例2では少量のプレドニゾロンとの併用で3年以上の長期にわたり皮疹を抑制できた。なお, 両症例においてこれまでとくに副作用はみられていない。以上よりミゾリビンはプレドニゾロンとの併用療法として尋常性天疱瘡に試みられるべき治療法のひとつと考えられた。
  • —蛍光標識モノクローナル抗体を用いた水痘·帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus, VZV)抗原の検出と合わせて—
    安富 弘, 山田 琢, 倉橋 克文, 多田 譲治, 荒田 次郎, 西原 修美, 益田 俊樹, 平野 紀子, 片山 治子, 梅村 茂夫, 吉岡 ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 346-350
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹患者42例にビダラビン(9-β-D-arabinofuranosyladenine, アラセナA®)を投与し, その有効性を検討した。FITC標識抗VZV(varicella-zoster virus)マウスモノクローナル抗体(イムチェック-VZV®, 第一化学薬品)を用いた蛍光抗体法により, 病変部のVZV抗原を検出し検討した。(1)アラセナA®300∼600mg/日を3∼7日間点滴静注した。(2)最終診断日での皮疹改善度は100%, 神経症状を含めた全般改善度は85.7%, 有用度はかなり有用以上が78.6%, 安全度は全例が「安全である」であった。(3)投与前VZV抗原陽性率は34例中29例(85.3%)であった。(4)発疹形態別にみたVZV抗原陽性率は, 膿疱91.3%, 水疱86.4%, 痂皮60%であった。
  • 中山 秀夫, 小泉 麻奈, 稲本 伸子, 新関 寛徳, 原田 玲子, 天谷 雅行, 山崎 雄一郎, 小林 孝志, 畑 康樹, 藤澤 龍一, ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 351-357
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹に対するゾビラックス錠400®の治療効果を検討した。ゾビラックス錠400®(以下, 本剤と略す)を, 原則として1回2錠1日5回, 7日間投与した。対象患者は80例で, 有効性検討症例78例のうち, 改善以上の改善率は97.4%であり, 皮疹および疼痛の速やかな改善を認めた。本剤の臨床効果を個々の患者背景で層別し, 重症度別, 年齢層別および投与開始病日毎に検討したが, いずれの項目でも優れた効果が得られた。副作用の発現はなかったが, 臨床検査値異常としてトリグリセライド値の上昇が5例, GOT, γ-GTPの上昇が1例に認められた。しかし臨床的な異常所見は認められなかった。有用以上の有用率は97.4%で, 本剤は帯状疱疹に対して高い有用性をもつことが確認された。
  • 渡辺 晋一, 高橋 久
    1994 年 56 巻 2 号 p. 358-365
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    近年, selective photothermolysisというレーザー療法の治療指針が提唱され, どのような機能を有したレーザーが血管性あるいは色素性皮膚病変の治療に有効であるかが明らかにされた。そこでこの治療指針にある程度合致し, オキシヘモグロビンの吸収ピークのひとつに対応した578nm(黄色光)と, 511nm(緑色光)の二種類の波長の光を照射することが可能な銅蒸気レーザーが開発されたので, それを使用し, portwine stainをはじめとする種々の血管性皮膚病変35症例の治療を行った。全般改善度は, 治療後の色調の程度を5段階に分類し, また患者自身の満足度を考慮して判定した。その結果, 全般改善度は, 改善以上が, 57.1%, やや改善以上が, 94.2%であった。副作用は1名の患者にレーザー照射後, 一過性の軽度の色素沈着が見られたが, 患者はそのまま治療を継続し, 現在は色素沈着はほとんど認められていない。その他, ケロイドなどの瘢痕は全く認められず, 全般改善度と副作用を勘案し, 有用性を判定すると, 有用以上が68.6%, やや有用以上が97.1%と良好な治療成績をおさめた。以上より, このレーザーは血管性皮膚病変に有用であり, とくに毛細血管拡張症のみられる病変や, tunable dye laserであまり効果の見られない血管腫のいくつかにも有効であることが期待された。
  • 手塚 正, 森川 和宏, 瀬口 得二, 佐伯 光義, 楠田 茂
    1994 年 56 巻 2 号 p. 366-370
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    太田母斑31名, 青色母斑6名, 人工刺青2名, 外傷性刺青1名の計40名をQ-switched ruby laserで治療した。有効以上の有効率は75%であったが, 照射回数が増加するにつれて有効率は上昇傾向を示した。6回以上照射した症例の有効以上の有効率は5/5で100%であった。照射後の水疱, 炎症も生ぜず又, 瘢痕も残す事なく太田母斑の青色調はきれいに消失したので今後この方法が上記疾患の治療の主流になると考えられた。
  • 米田 和史, 森 俊二, 坂 昌範
    1994 年 56 巻 2 号 p. 371-373
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    感染症の治療薬は1日3回または4回が主体であったが, 近年pastantibiotic effect(PAE)を利用して1日1回投与の試みがなされている。そこで皮膚科領域の感染症患者30人を対象として, オフロキサシンの1日3回分割投与法と1日1回投与法の臨床効果, 安全性および有用度を比較検討した。その結果, 1日3回投与群では87.5%が有効以上, 1日1回投与群では85.7%が有効以上の効果を示した。安全性に関しては, 1日3回投与群で1例(6.3%)に肝機能異常を認めた。有用度は1日3回投与群で81.2%が有用以上を示し, 1日1回投与群では85.7%が有用以上を示した。臨床効果, 安全性および有用度において1日3回投与群と1日3回分割投与群における有意差は認められなかった。以上のことからオフロキサシンはPAEを有し, その1日1回投与法は臨床的に十分活用できると考えられた。
  • 松本 忠彦, 田沼 弘之, 金子 聡, 高須 博, 西山 茂夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 374-381
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    爪白癬に対する経口抗真菌剤テルビナフィン125mg錠の1日1回1錠投与での有効性, 安全性とともに薬剤の蓄積性ならびに爪甲, 毛髪への移行性を検討するため臨床試験を実施した。総症例数は34例であった。このうち1例は安全性評価のみ採用とした。したがって有効性, 有用性評価は33例, 安全性評価は34例を解析対象とした。総合効果での有効率は90.9%(30/33)で, 優れた有効性が認められた。臨床検査値異常変動を含め副作用は認められなかった。薬物動態では, テルビナフィンは爪甲において投与2週後より検出され, 投与12週後には0.78ng/mgに達しその後ほぼ同じ値で推移した。また毛髪には投与23∼32週で平均3.14ng/mgの本剤が検出された。これらの結果より, 本剤が爪甲および毛髪へ良好に移行することが確認された。本剤の血漿中濃度は, ほぼ10週で定常状態に達し蓄積傾向は認められなかった。以上の成績より, 本剤は爪白癬に対して優れた有効性と安全性を示し, 薬物動態学的検討も, この優れた治療成績を裏づけるものであることが結論づけられた。今回の試験結果より本剤は爪白癬に有用な薬剤であると考えられる。
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