1994 年 56 巻 4 号 p. 699-704
症例1(32歳の男性)はwide-spread discoid lupus erythematosusの皮疹を呈し, 症例2(53歳の女性)の皮疹はlupus erythematosus(LE)ともlichen planus(LP)とも確定しがたかった。両症例とも抗核抗体陽性, RNase感受性ENA抗体高値であった。病理組織学的, 免疫組織化学的には両症例ともLPの像を呈した。このように臨床症状と血清学的所見はLEであるが, 組織学的にはLPの所見を示す症例は, 基本的には予後の良い皮膚型LEであると考え, lichen planus-like lupus erythematosusと診断した。症例1は少量のステロイドとエトレチナート内服の併用が奏効した。