西日本皮膚科
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症例
アミロイド沈着をみたAdenoid Basal Cell Epithelioma
湧川 基史大島 洋子日野 治子
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1994 年 56 巻 6 号 p. 1154-1157

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抄録

76歳の男性の右頬部に生じたadenoid basal cell epithelioma(adenoid BCE)の1例を報告した。本症例は一見付属器腫瘍も考えさせる臨床像を呈したことや, 間質に多量の好酸性物質の沈着を認めたことが特徴的であった。組織学的には分葉状に増殖した腫瘍巣中心部に多数の腺様構造を形成し, 腫瘍辺縁部には充実性の胞巣もみられた。間質の沈着物質はダイロン染色陽性であることからアミロイドと考えられた。BCEにおける腺様構造とアミロイドの沈着について, 若干の文献的考察を加えた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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