ロキシスロマイシンの化膿性皮膚疾患に対する使用意義を, 鹿児島地区の皮膚科を受診した153例について検討した。投与方法は1日量300mg(力価)を2回に分割し, 主治医の判断により治療に必要な期間経口投与した。疾患の内訳は, 毛嚢炎41例, せつ40例, せつ腫症8例, 癰1例, 蜂巣炎4例, リンパ管炎1例, 化膿性爪囲炎6例, 皮下膿瘍10例, 汗腺炎5例, 集簇性ざ瘡4例, 感染性粉瘤23例, その他13例であった。患者年齢は11∼88歳(平均44.7歳), 性別は男性67例, 女性84例であった。重症度は軽症, 中等症が大多数を占め, 投与期間は平均10日であった。臨床効果は全般改善度の改善以上で88.5%の改善率であった。副作用は2例(1.3%)に認められた。
S. aureusに対する感受性は, MIC 1.56
μg/mlを境に2相性を示したが,
S. aureusの検出された31例における感受性菌と耐性菌別の臨床効果は, 改善率に差が認められなかった。以上よりロキシスロマイシンは軽症, 中等症の化膿性皮膚疾患に対し, 第一選択薬として使用意義の高い薬剤であることが示された。
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