西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
表在性白癬に対する塩酸ブテナフィン(メンタックス®)の臨床的有用性
坪内 由里立石 毅大塚 藤男
著者情報
ジャーナル 認証あり

1994 年 56 巻 6 号 p. 1246-1252

詳細
抄録

塩酸ブテナフィンの浅在性白癬に対する臨床上の有用性を検討する目的で, 筑波大学および関連病院計7施設において一般臨床試験を実施した。63例が収集されたが, 安全性は全例を対象に検討し, 有効性は判定週の鏡検不実施例などを除外した残りの47例を対象に検討した。47例の疾患の内訳は足白癬35例, 股部白癬3例, 体部白癬9例であった。皮膚症状の改善率は, 足白癬が85.7%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では87.2%であった。菌陰性化率は足白癬が88.6%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では89.4%であった。総合効果は足白癬が88.6%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では89.4%であった。63例中に副作用が出現した例はなかった。有用度は足白癬が85.7%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では87.2%であった。塩酸ブテナフィンは浅在性白癬に対して1日1回の塗布で優れた有用性を発揮する薬剤と考えられた。

著者関連情報
© 1994 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top