西日本皮膚科
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治療
アトピー性皮膚炎における塩水療法
—臨床的有用性の検討—
向井 秀樹新井 達浅井 寿子武村 俊之加藤 一郎
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1995 年 57 巻 1 号 p. 84-90

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抄録

小児のアトピー性皮膚炎の治療に海水浴療法が行われており, その作用機序として紫外線および海水の作用が考えられている。そこで今回この海水の作用に注目して, その有用性を検討した。方法は自宅の入浴時に海水成分に近い自然塩を用いて塩水療法を行った。対象は, 従来の治療法に抵抗性で重症度の高い46症例(小児17例, 成人29例)。全体の有効率は60.9%であり, 年齢別にみると小児94.1%, 成人41.3%と明らかな有効率の違いをみた。臨床効果を要約すると, 止痒効果が高く, 湿潤局面の改善や保湿効果などが認められた。副作用として, 使用時の刺激感および長期連用により乾燥肌の出現がみられた。比較的かゆみのコントロールしにくい症例に対して, 本療法は容易で有用性の高い補助療法になりうると考えた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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