西日本皮膚科
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研究
Behçet病における血液凝固能·線溶能の検討
筒井 清広長谷川 稔
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1995 年 57 巻 2 号 p. 286-289

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抄録
活動性のBehçet病患者16例を対象として, プロトロンビン時間(PT), フィブリノーゲン(Fbg), トロンビン·アンチトロンビンIII複合体(TAT), プラスミン·α2-プラスミンインヒビター複合体(PIC)を測定した。その結果PT延長が8例(50%)に, Fbg高値が10例(56%)に認められた。TATあるいはPICが異常高値を示した例は4例(25%)あり, 全例において大腿深部静脈の閉塞ないしは狭窄がRIベノグラフィーで検出された。血管病変が検出されなかった症例では, TATおよびPICはいずれも正常値を示した。以上の結果からTATおよびPICの測定はBehçet病患者における深部血管の血栓症の存在を示唆する指標として有用であると思われた。
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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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