西日本皮膚科
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研究
精製ツバキ油塗布による皮表脂質組成ならびに皮表過酸化脂質量の変化について
熊谷 則子小島 洋子中森 三千代松尾 聿朗
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1996 年 58 巻 1 号 p. 109-112

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抄録

精製ツバキ油はその主成分がオレイン酸トリグリセリドで, 植物油の中でも比較的酸化されにくい油脂として知られている。今回精製ツバキ油外用後の皮表脂質組成ならびに皮表過酸化脂質量を測定し, 皮表脂質に対する精製ツバキ油の影響を検討した。その結果精製ツバキ油外用後, トリグリセリド値が上昇するにもかかわらず皮表過酸化脂質量は増加せず, むしろ低下することが明らかとなった。また健常人ならびに軽症の接触性皮膚炎患者を対象に行った精製ツバキ油過酸化脂質の48時間密封貼布試験では, 過酸化物価(POV)が5.18∼210(meq/kg)の試料全てについて全症例に陽性所見を認めなかった。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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