西日本皮膚科
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58 巻, 1 号
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図説
綜説
症例
  • 廣田 洋子, 武藤 正彦, 廣田 徹, 倉田 佳子, 田尻 雅夫, 麻上 千鳥
    1996 年 58 巻 1 号 p. 6-9
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
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    34歳の女性。平成4年7月頃より健康のためプロポリス(ブラジル産)を飲用していた。飲用約10ヵ月後, 運動会に参加した後, 露出部に紅斑出現。紅斑にプロポリスと馬油混合液を塗布したが皮疹に変化はみられなかった。塗布2週間後には顔面, 両前腕, 両手背, 両手掌, 両下肢に初診時にみられたと同様の瀰漫性浮腫性紅斑, 紅色丘疹, 鱗屑が認められるようになった。パッチテストを施行したところプロポリスasis, 10%pet., 1%pet. にて強陽性。馬油陰性。プロポリスによる内服テストならびに内服フォトテストにて, 共に陰性。パッチテスト, 内服テストのいずれでもflare upは認められなかった。健康人17名に施行した1%プロポリスのパッチテストでは全員陰性であった。以上よりプロポリスによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。
  • 安野 佳代子, 前川 嘉洋, 進 洋子, 野上 玲子
    1996 年 58 巻 1 号 p. 10-12
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    急性リンパ球性白血病の化学療法中に出現したacral erythemaの1例を報告した。両側足底の紅斑で発症し, 水疱, 潰瘍を形成して約3ヵ月後に瘢痕治癒したが, 紅斑出現時から強い疼痛による歩行困難の訴えがあり, 疼痛のコントロールや創処置に苦慮した。海外におけるacral erythemaの報告では, cytosine arabinoside(Ara-C)によるものが多く, 本邦での報告は検索した限り3文献1)∼3)で, Ara-Cで2文献, methotrexateは1文献のみであった。掌蹠に限局し知覚異常を伴うこの特異的な臨床像は, まれではあるが化学療法を実施する際の留意すべき副作用と考える。
  • 古賀 哲也, 幡本 明利, 清水 昭彦, 利谷 昭治
    1996 年 58 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    51歳の男性に生じたチオラ®内服後の薬疹について以下の検討を行った。同薬剤によるパッチテスト, リンパ球幼若化試験はいずれも陽性であった。組織学的には表皮基底層の液状変性が部分的にみとめられ, 真皮上層には血管周囲性のリンパ球や好酸球の浸潤とともにメラノファージがみられた。患者末梢血単核球を同薬剤と共に72時間培養した培養上清中には, IFN-γ活性がみとめられた。以上より本症例では患者末梢血に存在する薬剤特異的T細胞から産生されたIFN-γが皮膚病変の発現に関与している可能性が示唆された。
  • 前川 和代, 武居 公子, 平良 佳代, 青木 武雄, 上里 博, 野中 薫雄
    1996 年 58 巻 1 号 p. 16-18
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    64歳の女性, 下腿に有痛性結節を伴う紅斑が約6ヵ月間みられた。病理組織学的に血管壁にフィブリノイド様変化, 核塵を混ずる好中球を主体とする細胞浸潤があり, 蛍光抗体直接法では血管壁にIgMの沈着が認められアレルギー性血管炎と診断した。本患者に塩酸サルポグレラートの投与を試み, 著明な皮疹の改善がみられた。
  • 小宅 慎一, 田口 裕久, 古賀 道之, 篠本 雅人, 星加 明徳
    1996 年 58 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    5歳の男児。急性上気道炎の診断にて治療中, 四肢に有痛性の皮下結節が多発し入院。入院後の検査で心外膜炎, 溶連菌抗体価の上昇を認めた。皮下結節部の皮膚生検でnecrotizing arteritisを確認し結節性多発性動脈炎(PN)と診断した。治療として副腎皮質ステロイド剤, サイクロホスファマイドを使用し症状は軽快した。投薬中止後も症状の再燃はない。自験例では経過中, 溶連菌抗体価の変動がみられ, PNの発症に溶連菌感染が関与していることが推測された。溶連菌感染症後の非化膿性合併症にリウマチ熱(ARF)があるが, 小児で心炎を合併するPNは, ARFとの鑑別が困難な場合があり鑑別には皮膚生検が有用である。
  • 山崎 修, 戸井 洋一郎, 荒川 謙三, 荒田 次郎, 浦上 淳
    1996 年 58 巻 1 号 p. 23-25
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    患者は61歳の男性。初診の3ヵ月前に前胸部痛, 間欠性跛行が出現。両下肢痛, 歩行困難が増強するようになった。初診時, 右大腿に中央壊死および点状紫斑を伴う赤酒母斑様紅斑が拡大していた。大動脈造影にて下腸管膜動脈分岐部直下で腹部大動脈の完全閉塞を認め, Leriche症候群と診断された。紅斑部の組織では著明な毛細血管の増生をみた。患者はその後面下肢壊死を生じ, 離断術後, 敗血症, 多臓器不全により死亡した。
  • 稲沖 真, 筒井 清広, 竹原 和彦
    1996 年 58 巻 1 号 p. 26-28
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    48歳の女性。5日前から体幹·下肢にそう痒を伴う緊満性水疱が多発してきた。その生検標本では表皮下水疱と主として好中球からなる細胞浸潤が認められた。免疫蛍光法(IF)直接法では表皮真皮境界部(BMZ)にIgAとIgGの線状沈着が認められた。IF間接法ではIgAクラス抗BMZ抗体が認められその抗体価は40倍であったが, IgGクラス抗体は認められなかった。プレドニゾロン初期量30mg内服で水疱は消退した。初診の8ヵ月後体幹四肢にそう痒を伴う丘疹が生じた。その生検標本では表皮肥厚, 表皮下の裂隙と微小膿瘍がみられた。IF直接法ではBMZにIgAの線状沈着がみられたが, IgGの沈着は認められなかった。IgAクラス抗BMZ抗体価は20倍であった。プレドニゾロンは無効でDDS1日量75mg内服により丘疹は消退した。1M食塩水処理ヒト正常皮膚を基質としたIF間接法ではIgA抗体は皮膚の非分離部より分離部でより弱く沈着し, 標的抗原が食塩水処理により障害を受けることが示唆された。
  • 浦 博伸, 尹 浩信, 原田 栄, 古屋 勉, 下妻 道郎, 竹原 和彦
    1996 年 58 巻 1 号 p. 29-31
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    63歳の男性。初診2年前に直腸癌にてMiles手術施行。初診半年前に三相性のRaynaud現象, 関節痛, 朝のこわばりが出現。初診時, 強指症, 躯幹にまで及ぶ近位皮膚硬化, 手指屈曲拘縮, 瀰漫性色素沈着, 舌小帯短縮を伴っていた。検査所見では, 血沈亢進, CPK軽度上昇, 抗nRNP抗体陽性。食道の弛緩拡張, 蠕動低下がみられたが, 肺線維症は認められなかった。前腕·胸部の病理組織像では, 真皮全層に及ぶ膠原線維束の膨化, 増生。プレドニゾロン20mg/day内服にて皮膚硬化, 関節痛の軽快, 検査所見の改善を認めた。経時的に超音波診断装置を用いて皮膚厚を測定し, 皮膚硬化の軽快に伴って皮膚厚が減少することが確認された。
  • 佐藤 かすみ, 佐々木 哲雄, 西田 るみ, 影山 恵, 伝宝 憲一, 高橋 一夫, 中嶋 弘
    1996 年 58 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    54歳の男性。51歳で発症した食道病変を伴う全身性強皮症患者にD-ペニシラミンを投与し再生不良性貧血が生じた1例を報告した。D-ペニシラミン投与を開始し約15ヵ月後(100mg/日から400mg/日まで漸増, 総投与量156.1g)に汎血球減少症, 骨髄低形成が生じ当科に入院した。D-ペニシラミン投与中止後約5ヵ月間は対症療法が行われたが改善はみられず, 約6ヵ月目からシクロスポリンの投与(開始時5mg/kg/日, 3週後に2.2mg/日まで漸減)に切り替え, 約1ヵ月後から末梢血液像の改善が認められ始め, シクロスポリン開始約12週目からプレドニゾロンの併用(初回40mg/日, 3週後に20mg/日まで漸減)を行い, 輸血せずに末梢血液像が維持されるようになった。本症例ではD-ペニシラミン投与後に汎血球減少と抗核抗体の上昇が認められ, 免疫抑制剤の投与で軽快したため, これら一連の現象には何らかの免疫学的機序の関与が考えられた。
  • 漆原 嘉奈子, 白石 聡
    1996 年 58 巻 1 号 p. 37-39
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    妊娠33週の女性に生じた膿疱性乾癬を経験した。ステロイド含有外用剤, 非ステロイド消炎鎮痛剤投与で経過をみたが, 38∼39℃の発熱は続き, 症状の改善を認めなかった。そのため短期間ステロイド内服を行い, 帝王切開で分娩後エトレチナート内服にきりかえ良好な結果を得た。新生児に異常を認めなかった。
  • 松永 若利, 木藤 正人
    1996 年 58 巻 1 号 p. 40-43
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    54歳の男性に生じたacquired port-wine stainを報告した。5年前に前額部に持続性紅斑が出現し, 最近その中央部が結節状に隆起してきた。初診時, 前額部の病変の他に, 肩や前胸部にくも状血管腫が認められ, 両上肢外側に紙幣状皮膚も認められた。HCV抗体陽性で, 内科的に慢性C型肝炎と診断された。レーザードップラー血流計による血流測定では, 前額部の病変と前胸部のクモ状血管腫はほぼ同じ血流波型を呈した。病理組織学的には真皮の浅い層では拡張した毛細血管が存在し, 病変部の中央部には肥大した動静脈吻合血管が存在していた。前額部の持続性紅斑はクモ状血管腫や紙幣状皮膚と同じく, 慢性肝疾患に起因するacquired port-wine stain(肥大型)と診断した。
  • —初発時および剖検時の皮膚浸潤細胞の比較検討を含めて—
    西岡 和恵, 村田 雅子, 石川 武人, 末永 和之, 権藤 俊一, 岩田 隆子, 木下 敬介
    1996 年 58 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    14年間の長い経過を示し, 剖検時皮膚にのみT細胞性リンパ腫が見い出されたcytophagic histiocytic panniculitis(CHP)の1例を報告した。症例は65歳の女性。初診の約14年前より四肢に結節性紅斑様皮疹が出没。約1年前より皮疹の一部が潰瘍化し, 躯幹にも波及するようになり当科紹介され, 入院。初診時, 四肢, 右肩, 臀部に発赤, 黒色痂皮を伴うくるみ大までの皮下硬結が散在。皮膚生検ではリンパ球, 組織球の浸潤からなる非特異的脂肪織炎の像を示した。ステロイド全身投与により一時軽快傾向がみられたが, 入院の3ヵ月後より発熱, 肝障害とともに皮疹も増悪し, 広汎な紫斑を伴うようになった。繰り返し行った皮疹の生検では診断が確定されず, 骨髄穿刺を行ったところcytophagic cellを認めCHPと診断, 化学療法を施行するも初診の5ヵ月後に死亡。剖検では皮膚, 骨髄, 肝, 脾に多数のcytophagic cellを認めるとともに, 大腿部の皮下硬結に, 瀰漫性, 中細胞型, T細胞性悪性リンパ腫が認められた。初診時および剖検時の皮膚浸潤細胞を酵素抗体法により比較検討したところ, いずれの標本でもUCHL-1, MT-1陽性のT細胞およびα1-アンチキモトリプシン, KP-1陽性の組織球からなり, 初診時には異型性を示さなかったT細胞が悪性化した可能性が考えられた。また経過中フェリチンが異常高値を示した。
  • 長治 順子, 津田 眞五, 山本 暢宏, 西岡 昭二, 田中 克己, 笹井 陽一郎
    1996 年 58 巻 1 号 p. 50-54
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    68歳の男性に生じた悪性線維性組織球腫の1例を報告した。初診時, 腰背部右側に2×3cmの皮下腫瘤を認めた。病理組織学的に, 皮下に異型性の強い線維芽細胞様細胞と組織球様細胞からなる細胞塊がみられ, bizarreな核を有する巨細胞も混在した。一部にmyxoidの変化を伴うstoriform-pleomorphic typeの悪性線維性組織球腫と診断した。PG-M1(単球/マクロファージ関連抗原と反応するモノクローナル抗体), HHF-35(筋線維アクチンやmyofibroblastと反応するモノクローナル抗体)を用いた免疫組織染色で, 腫瘍構成細胞の一部に陽性所見を認めた。KP-1(汎組織球マーカー), α1-antitrypsin, α1-antichymotrypsinなどとの反応性はなかった。電顕的には, 腫瘍は主に線維芽細胞様細胞, 組織球様細胞, 巨細胞より構成され, いずれの細胞にも異型性がみられた。
  • 工藤 稔, 寺師 浩人, 片桐 一元, 田所 丈嗣, 工藤 芳子, 板見 智, 高安 進, 多田 勝弘
    1996 年 58 巻 1 号 p. 55-57
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    67歳の女性の左踵骨骨髄炎に併発した瘻孔癌の1例を報告した。20年来の熱傷瘢痕があり当初同部より発生した瘢痕癌と考えたが, 踵骨骨髄炎を併発しており瘻孔と潰瘍との連続性が認められ, 病理組織学的に瘻孔壁よりsquamous cell carcinoma(SCC)の所見を得たこと, また術中所見で主たる病変が踵骨部内に存在していたことより骨髄炎に続発した瘻孔より発生したSCCと診断した。治療は膝下にて患肢切断術及び左鼠径部·外腸骨部リンパ節郭清術を施行し, ペプロマイシン総量80mgを投与した。慢性骨髄炎に併発した瘻孔癌について若干の文献的考察を加えた。
  • 寺田 都子, 丹羽 緑子, 末木 博彦, 飯島 正文, 藤澤 龍一
    1996 年 58 巻 1 号 p. 58-60
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    初診時74歳の女性。ステロイド外用に反応しない左踵部に生じた軽度の浸潤を触れる紅斑を主訴に来院。病理組織学的に表皮から連続性に細長い上皮索が不規則に吻合しながら真皮内に延長し網目様構造を呈していた。真皮乳頭層には毛細血管, 膠原線維の増生と組織球様細胞の浸潤が認められた。当時我々はeccrine syringofibroadenomaの疾患概念を知らなかったため組織診断に難渋した。非ステロイド系抗炎症剤の外用により経過を観察したところ紅斑は軽減したため, その後患者は来院しなかった。9年後の83歳時, 患者は前回とほぼ同様の皮疹を主訴に再び来院した。この間皮疹は軽快と増悪とを繰り返していたという。再生検の結果は9年前とほぼ同様の所見であったが, 今回は類似の症例を経験していたことから表皮内の汗管様構造に注目し, eccrine syringofibroadenomaと確定診断した。
  • 小野 友道, 木藤 正人
    1996 年 58 巻 1 号 p. 61-63
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    Blistering distal dactylitisの7例を報告した。年齢は1歳から6歳で, 初診日は春から夏にかけてであった。全例において指趾末端骨部に大型緊満性水疱がみられた。水疱内容から4例でA型β溶連菌, 2例で黄色ブドウ球菌, 1例では両者が検出された。BDDは通常幼児の末端骨部に発生する単発水疱であり, 熱傷水疱との鑑別を要する臨床像である。しかるに現在までの本邦報告例はその臨床症状, 患者背景がBDDとかなり異なっている。
  • —佐賀県の1診療所における頭部白癬の診療経験—
    篠田 英和, 西本 勝太郎
    1996 年 58 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    1985年1月から1994年12月の10年間に当診療所で経験した頭部白癬40例(男性25例, 女性15例)について検討した。1) 前半1985∼89年は23例, 後半1990∼94年には17例と減少傾向がうかがわれる。2) 小児群(0∼12歳)32例, 成人群(57∼83歳)8例であり, 最年少は生後40日, 最年長は83歳であった。小児群では男性が多く, 成人群では女性が多い傾向がみられた。3) 病理別では頭部浅在性白癬(black dot例を含む)29例(73%), ケルスス禿瘡11例で頭部浅在性白癬は1例を除いてすべて小児例, ケルスス禿瘡は4歳以下の男児と70歳以上の女性に多かった。4) 原因菌種はMicrosporum canisが30例(75%)と多く, 頭部浅在性白癬29例中26例, ケルスス禿瘡11例中4例から分離した。ケルスス禿瘡の成人例7例中Trichophyton rubrumによるものが4例を占めていた。5) 受診までの期間は平均33日であり, ステロイド外用治療歴は11例(27%)にみられた。自験例においてケルスス禿瘡が少ない理由のひとつに, 発疹に気づいてから受診までの期間が短かくステロイド外用剤による治療機会が少ないことを考えた。6) 家族内および集団内発生例は11例(Trichophyton violaceum 3例, M. canis 8例)であった。M. canis感染症においてtooth brush法により家族内の無症候性メンバーの頭髪より菌の検出を試み, 家族内発生例および単独発生例を含む7家系で23人中8人(34%)の保菌者を発見した。
  • 服部 瑛
    1996 年 58 巻 1 号 p. 70-72
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    顔面播種状粟粒性狼瘡の2例(45歳の男性例および38歳の女性例)を報告した。2例ともツベルクリン反応が陽性で, かつINAHが奏効した。男性例の皮疹は瘢痕治癒し, 女性例の皮疹は瘢痕も残さずに比較的速やかに治癒した。
  • 細川 篤, 上里 博, 野中 薫雄
    1996 年 58 巻 1 号 p. 73-78
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    体部白癬との鑑別が必要であった類結核型らいと境界群らいの2例を報告し, これらの病型でみられる皮疹の特徴を検討し他の皮膚疾患との鑑別や診断に言及した。自験例の類結核型らいは発症から受診まで約50∼60年経過しており知覚障害が不明瞭で末梢神経障害は自然治癒経過をとった可能性が考えられた。また境界群らいはmid-borderline leprosyであり体部白癬として約1年間治療され, 発症から診断まで約4年経過しており広範囲の知覚障害や鷲手及び猿手の変形や手指運動機能障害など比較的強い末梢神経機能障害を残した。近年, 日本人の新患は激減したが南米や東南アジアなどの流行地域から入国する外国人らいが増加傾向にあり, 患者は皮疹を主訴に皮膚科を受診することが多く注意が必要と考えられた。
  • 細川 篤, 上里 博, 野中 薫雄, 宮里 肇, 伊集 操
    1996 年 58 巻 1 号 p. 79-82
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    らい菌は一般にらい腫らいなどの多菌型らい患者の皮膚病変部や鼻粘膜から滲出液, 鼻汁等と共に排菌され, 外傷や鼻粘膜への付着等により経皮, 粘膜的に感染すると考えられている。我々が経験したらい腫らいの組織検査で真皮内に多数の抗酸菌がみられると共に表皮角層及び鱗屑や有棘層及びメラノサイトを含む基底層等の表皮細胞内や表皮内汗管上皮細胞及び汗管内, 毛包上皮内にも抗酸菌が認められ, らい菌は経表皮, 汗管, 毛包性に排泄され鱗屑, 落屑や汗, 毛髪や皮脂及び爪などに付着した形でも感染する可能性が示唆され予防医学上, 殺菌力の強い薬剤の早期投与が必要と考えられた。
  • 細川 篤, 上里 博, 野中 薫雄, 宮里 肇, 金城 浩邦
    1996 年 58 巻 1 号 p. 83-88
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    末梢神経障害が主訴の境界群らい, purely neural leprosyおよび, 類結核型らいの3例を報告した。四肢の知覚鈍麻·脱失(温冷覚, 痛覚, 触覚)や神経痛様疼痛及び四肢運動機能障害など末梢神経障害を主訴として神経内科あるいは整形外科などを受診し, らいを疑われ皮膚科を受診した自験例3例は, らいの皮膚病変が少数であるか欠如したり皮疹の色調が淡かったり足底などにあり目立たないために診断が遅れ末梢神経障害を残した。しびれ感などの末梢神経神経症状の訴えがある場合, 特にそれが解剖学的神経分布に一致しない場合はらいを疑って知覚検査や菌学的検査などを行う必要があると考えられた。
  • 並里 まさ子, 村上 國男, 小原 安喜子
    1996 年 58 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    B群らいの43歳の男性例を報告した。数回にわたる再発の既往があり, そのつど化学療法が不十分であった結果, 増悪とともにらい性結節性紅斑(ENL)が発症した。著者担当以後ofloxacin(OFLX)300mg1/2日とclofazimine(B663)300mg/週を開始した。約1ヵ月後, リバーサル反応をきたした。さらに約3ヵ月後, ENLに類似した所見がみられた。いずれもprednisolone(PSL)が有効であった。これら2回の皮膚病理組織像を, 約11年前の2回目の再発時に得られた組織像と比較すると, 皮膚付属器と神経組織の減少が著明であった。著者担当以後, 上記化学療法を規則的に継続するとともに, PSLの減量を進めた。上気道炎に罹患時, 炎症所見の増強を認め, PSLを一時的に増量した。現在PSL 10mg/日と5mg/日の交互投与で経過観察中である。
研究
  • 岩崎 泰政, 森 保, 宮本 義洋, 波多野 裕二, 山本 昇壯
    1996 年 58 巻 1 号 p. 94-97
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    広島大学医学部附属病院皮膚科において経験し, 手術治療を行った女性の外陰部Paget病11例について手術方法の検討を行ったので報告する。腫瘍切除後の欠損に対して薄筋皮弁を中心とする皮弁による再建を行うと, 分層植皮術に比べ粘膜側の切除も比較的十分に行うことができ, また外陰部の機能の温存をはかることもできた。さらに術後の創の管理も簡単であり, 整容的にも満足のいく結果を得た。以上より女性の外陰部Paget病に対しては, 皮弁を中心とした外陰部の再建が非常に有用な方法であると考えられた。腫瘍切除後の欠損に対して選択する手術方法については, その片側の欠損の大きさ, すなわち外陰部の正中線から欠損縁までの距離が6cmまでであれば単純に縫縮することができ, 8cmまでであれば局所皮弁を用いて再建することができた。しかしその欠損が8∼13cmとなれば大腿内側から採取する薄筋皮弁を用いた再建を余儀なくされ, 欠損が19cmの症例では腹部より採取する腹直筋皮弁と分層植皮術を併用することにより再建することができた。
  • —ダニ特異IgE高値, スクラッチテスト陽性患者末梢血単核球のダニ抗原刺激によるIL-4およびIL-5産生の検討—
    幡本 明利, 古賀 哲也, 利谷 昭治
    1996 年 58 巻 1 号 p. 98-101
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    われわれは臨床的にアトピー性皮膚炎(以下AD)と診断された12歳から50歳までの85名(男性46名, 女性39名, 平均年齢22.09歳)を対象に血清総IgE, 血清ダニ特異IgE, 血中好酸球(%)の測定およびダニ抗原を用いたスクラッチテストを施行した。ダニ特異IgEが高値で, かつスクラッチテスト陽性の患者は48名(56.5%)であった。この一群の48名のうち血清総IgEが400 IU/ml以上のものは42名で, 平均6549 IU/mlであり, また血中好酸球が5%以上のものは40名, 平均10.1%であり, この群は血清総IgEが高く末梢血好酸球も高い群であった。この群のAD患者15名より末梢血単核球を採取しダニ抗原刺激によるIL-4とIL-5の産生を調べたところ, IL-4とIL-5の産生がみとめられた。以上より, 臨床的にADと診断された患者の中には, ダニ特異IgEが高く, かつダニスクラッチテスト陽性反応を示す, おそらくダニに対する即時型アレルギー反応が皮疹の発現に深く関与していると思われるような一群が約50%存在し, またこの一群は血清総IgEが高く, 末梢血好酸球も高いことがわかった。また, このような一群のAD患者の末梢血中にはダニ抗原刺激によりIL-4やIL-5を産生するようなダニ特異的T細胞が存在することがわかった。これらのダニ特異的T細胞から産生されるIL-4やIL-5が高IgE血症や好酸球増多に何らかの関与のあることが示唆された。
  • 角地 智加子, 中田 土起丈, 飯島 正文, 藤澤 龍一, 村井 貞子
    1996 年 58 巻 1 号 p. 102-104
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    昭和大学医学部付属病院皮膚科において1992年3月から1994年12月までの2年10ヵ月間に経験した皮膚溶連菌感染症の臨床的特徴を総括し, 細菌学的検討を行った。患者74例から81株が分離され, 男46例, 女28例で男女とも20歳代にピークがみられた。疾患別では伝染性膿痂疹が全体の21%, 二次感染が53%を占めた。細菌学的には81株中A群47%, B群36%, G群17%であった。A群については伝染性膿痂疹·二次感染·その他の膿皮症に分け, それぞれを単独感染·混合感染に分け検討したが, M型には一定の傾向は見出せなかった。今回のA群38株からは腎炎起因型とされるA群溶連菌のM 2, 49, 55, 57, 59, 60, 61は検出されなかった。近年A群ではstreptococcal toxic shock syndromeが問題となっているが, 今回壊死性筋膜炎様の症状を呈したB群の症例が認められ, 今後B群溶連菌も注目すべきと考えられた。
  • —テレビ会議システム(AD 35 EX 14, NEC)を用いた皮膚科遠隔診断の予備的試み—
    井上 雄二, 小野 友道, 牧野 良造
    1996 年 58 巻 1 号 p. 105-108
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    テレビ会議システムVisual Links AD 35 EX 14(NEC)を用いて皮膚科遠隔診断の可能性を試みた。69人の新来患者において72病変の皮疹をテレビ画面を通して診断し, 実際の臨床診断との一致率を検討した。72病変中, 画像診断と臨床診断が一致したのは55病変であり, 明らかに不一致であったものが6病変であった。疾患では腫瘍の方が斑よりも一致率が高く, 色調では赤色, 黒色が褐色や黄色よりもモニター上での解像度が高かった。このようなマルチメディアを診療に用いることの有用性と問題点について考察した。
  • 熊谷 則子, 小島 洋子, 中森 三千代, 松尾 聿朗
    1996 年 58 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    精製ツバキ油はその主成分がオレイン酸トリグリセリドで, 植物油の中でも比較的酸化されにくい油脂として知られている。今回精製ツバキ油外用後の皮表脂質組成ならびに皮表過酸化脂質量を測定し, 皮表脂質に対する精製ツバキ油の影響を検討した。その結果精製ツバキ油外用後, トリグリセリド値が上昇するにもかかわらず皮表過酸化脂質量は増加せず, むしろ低下することが明らかとなった。また健常人ならびに軽症の接触性皮膚炎患者を対象に行った精製ツバキ油過酸化脂質の48時間密封貼布試験では, 過酸化物価(POV)が5.18∼210(meq/kg)の試料全てについて全症例に陽性所見を認めなかった。
講座
統計
  • 上田 英一郎, 森島 陽一, 永田 誠, 野田 洋介, 竹中 秀也, 岸本 三郎, 安野 洋一
    1996 年 58 巻 1 号 p. 116-120
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    過去10年間(1982∼1991)に当科で, Paget病と診断された30例のうち乳房外Paget病患者28例について臨床症状, 治療および予後について検討した。乳房外Paget病患者は男性21例, 女性7例と男性に多く, 平均年齢は67.7歳で, 発症部位は大多数(90%)は外陰部であった。腫瘍細胞の真皮内浸潤は14例(83.8%)に, 所属リンパ節転移は8例(28.6%)に認められた。血清CEA値は19例中7例において初診時に高値を示していた。この血清CEA値は腫瘤形成, 所属リンパ節転移および再発を認める群でそれらを認めない群と比較して有意に高値を示した。5年生存率はstage Iでは100%, stage II∼IVでは71.4%, 全体で84.5%であった。また, 血清CEA高値またはリンパ節転移を示す群ではそれらを認めない群に比べて有意に生存率の低下が認められた。以上より所属リンパ節転移および血清CEA高値は危険因子であることが明らかになり, これらの危険因子をもつ乳房外Paget病患者の治療には十分な考慮が必要であると考えられた。
治療
  • —臨床症状及び保湿能測定とアミノ酸分析による解析—
    藤岡 彰, 向野 哲, 酒井 智恵, 浜田 祐子, 高須 博, 羽金 重喜, 米元 康蔵, 西山 茂夫, 勝岡 憲生
    1996 年 58 巻 1 号 p. 121-126
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    老人の皮脂欠乏性皮膚炎10名および成人のアトピー性皮膚炎(AD)10名に対し, 正常人7名をコントロールとして, 「クアタイム®」の有効性を検討した。1ヵ月の入浴により, 皮脂欠乏性皮膚炎, ADの全例に臨床症状の改善がみられ, 浴槽に浸した部位は浸さない部位に比べ, 保湿能に有意の改善を認めた。さらにアミノ酸総量の増加も浴槽に浸した部位にみられた。ただし, 増加したアミノ酸は症例によって異なっていた。また正常人において10%尿素軟膏と5%クアタイム®を含有した10%尿素軟膏を外用し, その後経時的に保湿能を検討した。60分後クアタイム®を含有した方が保湿能の低下が少ない傾向がみられた。アミノ酸分析からもクアタイム®に含まれるアミノ酸の有意な増加が認められた。以上より, 皮脂欠乏性皮膚炎, ADの皮膚症状, 特に乾燥症状の改善にクアタイム®は効果的であり, クアタイム®に含まれるアミノ酸の作用によるものと推測された。
  • 小泉 麻奈, 中山 秀夫
    1996 年 58 巻 1 号 p. 127-131
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    65歳の白髪で瀰漫性脱毛症の女性に従来の治療法を約半年行うも全く治癒傾向がなかった。しかし101J外用にかえて, 約7ヵ月で黒毛の大量発生をみて略治した1例を報告した。病理組織学的には典型的な瀰慢性脱毛症の所見を呈していた。また, 101J使用の難治性脱毛症18例においては有効率64.7%であり, この中で黒毛発生例を3例認めた。
  • 佐藤 俊樹, 窪田 卓, 河野 通浩, 岡田 理, 佐藤 典子, 新澤 みどり, 富田 靖
    1996 年 58 巻 1 号 p. 132-134
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者の顔面皮疹に対して白色ワセリンを基剤とした3%シクロスポリン軟膏による治療を試みた。15例に用いて著明改善3例, 改善4例, 軽度改善3例, 不変5例であった。充分な効果発現には4週間を要した。2例で外用中にカポジー水痘様発疹症がみられたが因果関係は不明。使用感がよく患者には好評であった。有効な治療法が乏しいアトピー性皮膚炎の顔面皮疹に対し試みる価値がある治療法と思われた。
  • —Minocyclineとの比較検討—
    橋本 明彦, 坪井 廣美, 平松 正浩, 関根 敦子, 米元 康蔵, 西山 茂夫
    1996 年 58 巻 1 号 p. 135-137
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    ざ瘡患者45名をRoxithromycin(ルリッド®錠: RXM300mg/日)群21例, Minocycline(ミノマイシン®錠: MINO 200mg/日)群24例の2群に分け, 有効性, 安全性, 有用性を比較検討した。4週間投与後の全般改善度においては改善以上が, RXM群66.6%, MINO群58.3%と同程度の改善率が得られた。副作用はRXM群においてはみられなかったが, MINO群では2例(8%)に認められた。25例(55.6%)のざ瘡病変部からP. acnesが分離され, RXMに対するMICを測定したところ全例が0.1μg/ml以下であり, MINOに対するMICとほぼ同程度であった。以上の結果より, RXMがざ瘡治療に際して有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 松田 哲男, 堀 嘉昭, 松本 忠彦
    1996 年 58 巻 1 号 p. 138-143
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    Tioconazoleの1%含有液剤であるSTR液の手·足白癬, 体部白癬および股部白癬に対する有効性, 安全性ならびに有用性を検討するため, 九州大学医学部皮膚科とその関連施設による研究班を結成し, 臨床試験を実施した。試験実施総症例は77例で, その内訳は手·足白癬50例, 体部白癬14例および股部白癬13例であった。真菌学的効果と皮膚所見の結果を考慮した最終総合臨床効果判定で有効以上は手·足白癬65.1%(28/43), 体部白癬72.7%(8/11), 股部白癬91.7%(11/12)であった。副作用は6.8%(5/74)に発現し, いずれも塗擦部位に限局され重篤なものは認められなかった。また, 有用性判定で有用以上は手·足白癬73/3%(33/45), 体部白癬81.8%(9/11), 股部白癬91.7%(11/12)でtioconazole 1%クリーム(トロシー®クリーム)の臨床試験成績と同等の有用性が得られた。以上の成績より, STR液は表在性白癬に対し有用な薬剤であると考えられた。
  • —TV-02軟膏との群間比較試験成績—
    TV-02クリーム乾癬研究会
    1996 年 58 巻 1 号 p. 144-153
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    活性型ビタミンD3の類縁体であるタカルシトール(1α, 24(R)-(OH)2D3, TV-02)を2μg/g含有し, クリーム基剤を用いたTV-02クリームの尋常性乾癬に対する有効性及び安全性について軟膏基剤のTV-02軟膏(タカルシトール2μg/g含有)を対照として群間比較試験法にて検討した。最終全般改善度の「かなり軽快」以上の改善率は, TV-02クリーム66.7%に対し, TV-02軟膏は64.8%であり両剤間に統計学的な有意差はなかった。副作用はTV-02クリーム2症例(発生率3.1%), TV-02軟膏4症例(発生率6.5%)に認められた。また「有用」以上の有用率はTV-02クリーム66.7%, TV-02軟膏は63.0%であった。以上よりTV-02クリームは尋常性乾癬に対して有効性, 安全性の面においてTV-02軟膏と同程度であると認められた。
  • TV-02クリーム魚鱗癬研究会
    1996 年 58 巻 1 号 p. 154-158
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    尋常性魚鱗癬を対象に活性型ビタミンD3のアナログであるtacalcitol(1α, 24(R)-(OH)2D3)を含有するTV-02クリームの臨床効果を7施設共同研究により検討した。実施症例数は20症例, 除外, 中止·脱落症例を除く有効性, 有用性解析対象は16症例であった。その結果, 最終全般改善度における改善率は, 「著しく軽快」75.0%, 「かなり軽快」以上100%であった。副作用は全例に認められなかった。有用性における有用率は「極めて有用」62.5%, 「有用」以上100%であった。
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