西日本皮膚科
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症例
生石灰による熱傷の4例
山下 直子小野 友道
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1996 年 58 巻 6 号 p. 978-980

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抄録
1村落で消石灰を稲のいもち病予防薬として散布後, 両大腿に発赤, 腫脹, 潰瘍を生じた4例を報告する。1) 71歳の男性, 平成6年7月中旬, 両大腿, 膝, 2) 65歳の男性, 平成6年7月末, 両大腿, 3) 68歳の女性, 平成7年7月末, 両大腿, 膝, 4) 53歳の男性, 平成7年7月末, 両大腿, 膝。いずれも作業ズボンに長靴の服装で稲に消石灰を散布中に消石灰中に混在する生石灰が付着して特異な熱傷を生じたと考えられた。なおいずれの症例も7月中旬から末にかけての発生であった。患者には稲に石灰がよくつくように朝露のでる時間帯を選んで散布し, 朝露で濡れた衣服に生石灰が付着したという共通の背景があった。
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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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