1997 年 59 巻 3 号 p. 463-470
硝酸オモコナゾール(HOC-155)クリームの1%製剤および2%製剤の足白癬に対する臨床的有効性, 安全性および有用性を比較し, 至適濃度を検討するために19施設からなる研究班を組織して治験を実施した。治験実施症例数は219例(1%群110例, 2%群109例)であった。皮膚所見と菌所見より判定した最終総合効果は1%群70.5%(55/78), 2%群73.7%(56/76)と両群で高い有効率が得られ両群間に有意差は認められなかった。副作用発現率は1%群1.0%(1/100), 2%群1.0%(1/101)であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 症状はすべて塗布部皮膚の局所症状であった。有用率は1%群70.5%(55/78), 2%群73.7%(56/76)と高い評価が得られ, 両群間に有意差は認められなかった。以上の成績よりHOC-155クリームの至適濃度は1%と考えられた。