1998 年 60 巻 2 号 p. 137-141
おのおの12年, 20年を経過して寛解した蕁麻疹様血管炎の2例について報告した。いずれも基礎疾患あるいは合併症は認められなかったが, 発症誘因としては薬剤投与も考えられた。治療として抗ヒスタミン剤などは無効で, 中等量から少量の副腎皮質ステロイド剤が効果的であった。長年月に及んで病勢が持続していたことは, 何らかのウイルス感染か, 免疫異常が存在していた可能性がある。何らかの原因で血管内皮細胞の活性化が持続したのか, あるいは循環免疫複合体の排除が障害された結果かもしれない。