1998 年 60 巻 2 号 p. 223-230
硝酸オモコナゾール(HOC-155)1%液剤の2日に1回塗布の表在性皮膚真菌症に対する臨床的有効性, 安全性, 有用性を検討することを目的として, 21施設からなる研究班を組織し, 一般臨床試験をおこなった。評価対象症例数は258例で, その内訳は趾間型足白癬52例, 小水疱型足白癬70例, 体部白癬45例, 股部白癬34例, カンジダ性間擦疹13例, カンジダ性指間糜爛症16例, 癜風28例であった。皮膚所見と菌所見から判定した最終総合効果における有効率(有効以上)は趾間型足白癬71.4%, 小水疱型足白癬67.3%, 体部白癬69.4%, 股部白癬80.8%, カンジダ性間擦疹75.0%, カンジダ性指間糜爛症91.7%, 癜風92.3%であった。副作用は258例中15例に発現し, 副作用発現率は5.8%であった。有用性判定では, 趾間型足白癬72.7%, 小水疱型足白癬64.2%, 体部白癬68.4%, 股部白癬80.8%, カンジダ性間擦疹83.3%, カンジダ性指間糜爛症91.7%, 癜風92.3%の有用率(有用以上)が得られた。以上の成績から1%HOC-155液剤は各種の表在性皮膚真菌症に対し2日に1回塗布でも充分な治療効果が期待できる臨床上有用な薬剤であると考えられた。