西日本皮膚科
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症例
下肢に生じたStewart-Treves Syndrome
阿南 隆波多野 豊高安 進山口 都美子加藤 征治
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1998 年 60 巻 5 号 p. 624-629

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抄録
80歳の女性。5年前から両下肢に腫脹が認められていた。3ヵ月前から左膝蓋部に腫瘤が出現し, 以後膝窩部へも拡大した。生検で血管肉腫と診断された。rIL-2静注, 局注, dacarbazinとpirarubicinの化学療法はいずれも無効であった。電子線照射は局所病変には有効であったが, 2ヵ月半後全身の浮腫とDICのため死亡した。病理解剖で肝, 脾, 腰椎, ならびに左外腸骨, 大腿動脈, 傍大動脈および気管周囲リンパ節に転移が認められた。剖検により得られた患肢の横断面とplain CT所見を比較検討したところ真皮, 筋膜の連続性病変はCTでよく描出されていたが, 皮下の結節性病変は一部しか認められず造影CTが必要と考えられた。また正常リンパ管を染色する5'-nucleotidase反応は腫瘍周辺のリンパ管では陰性であった。
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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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