抄録
遺伝子組換えトウモロコシ3272系統のリアルタイムPCRを用いた系統特異的定量分析法を開発した.DNA抽出に関しては,DNeasy Plant Maxi kitおよびDNeasy Plant Mini kitを用いたところ,非組換え種子に比べて抽出DNA量が有意に低かったが,GM quickerおよびGenomic-tip 20/Gを用いたところ,このような差は見られなかった.GM quickerで抽出精製したDNAを用いて試験室間共同試験を実施し,混入率算出の際に必要となる係数である内標比を決定した.さらに,ブラインド定量試験を実施したところ,本定量分析法の定量下限値は0.5%程度と見積もられた.以上の結果から,本分析法が,実際の検査に適用可能であることが示された.