西日本皮膚科
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症例
尋常性白斑に伴ったMorphea
奥田 知規竹村 卓也大井 綱郎古賀 道之
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1999 年 61 巻 1 号 p. 20-23

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抄録
症例は49歳の男性。平成5年12月頃より, 両手背に自覚症状のない脱色素斑が出現, 徐々に頭部, 体幹に拡大した。Dermatomeに関係なく分布する尋常性白斑(A型)と診断した。弱い外用ステロイド剤を使用し経過観察していたところ, 平成6年7月頃より腹部に鶏卵大の境界鮮明で周囲に紅暈(ライラックリング)を伴う角化性の浸潤性萎縮性局面が出現した。病理組織学的には, 真皮全層にわたり膠原線維の増生, 膨化があり, 血管, 付属器周囲にリンパ球を主とする細胞浸潤が認められたため, morphea(斑状強皮症)と診断した。尋常性白斑と限局性強皮症の合併報告例は少なく, 免疫異常が両疾患の発生に関与するのではないかといわれているが詳細は不明である。しかし, 過去に報告された合併例を検討してみたところ, 限局性強皮症に合併した尋常性白斑の臨床型は, 病型不明例を除いてすべてA型白斑であったことから, 両疾患の発症の基礎に何らかの免疫異常が関与しているのではないかと思われた。
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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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