西日本皮膚科
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症例
低栄養状態でみられた皮膚症状
東 裕子片平 充彦穂積 秀樹瀬戸山 充神崎 保
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1999 年 61 巻 2 号 p. 159-162

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抄録

48歳の男性。20年前, 胃潰瘍のため胃の亜全摘術を施行。長期の飲酒歴があり, アルコール性肝炎を指摘されていた。臨床的には口角炎, 舌の発赤, 四肢末端部の紅斑, 陰部の紅斑, びらん, 体幹の皮脂欠乏性湿疹を認めた。検査の結果アルコール性膵炎, 糖尿病も合併し, 低アミノ酸血症, 低亜鉛血症, 正球性正色素性貧血, 低蛋白血症, 低アルブミン血症, 低コレステロール血症, ビタミンの低下を認めた。亜鉛, アミノ酸の投与では十分改善しなかったが, 高カロリー食, ビタミン剤, 消化酵素剤の投与で皮疹はすべて消失した。低栄養状態における皮膚症状と考えた。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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