西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
環状紅斑の臨床像を呈した汎発型環状肉芽腫の1例
柴山 久代近藤 隆男満間 照之原 一夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

1999 年 61 巻 5 号 p. 588-590

詳細
抄録

環状紅斑の臨床像を呈した環状肉芽腫の1例を報告した。症例は, 58歳の女性。平成6年9月より高脂血症にて内服治療中である。平成8年2月より左腹部に直径5cmの淡紅色斑が出現した。徐々に拡大し, 躯幹, 鼡径部に多発融合した環状紅斑を認めた。自覚症状はない。病理組織像は, 真皮内に膠原線維の変性と組織球の浸潤を認め, いわゆるpalisading patternを取ることから環状肉芽腫と診断した。環状紅斑を呈する環状肉芽腫は稀であり, 臨床像からは診断できなかった。また, 汎発型の環状肉芽腫には種々の合併症が報告されており, それについて若干の考察を行った。

著者関連情報
© 1999 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top