西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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症例
巨大懸垂性毛母腫
小幡 千景桐生 美麿牛島 正博
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ジャーナル 認証あり

1999 年 61 巻 5 号 p. 606-608

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抄録
32歳の男性。4, 5年前に右上腕の結節に気付くも放置していた。結節は徐々に増大し, 約7×5×2cmの懸垂性腫瘤となり, 潰瘍形成と排膿を伴うようになったため来院した。なお, 幼小児期より後頭部に皮下結節があり, また近年, 右側胸部の皮下結節にも気付いた。組織学的にはいずれも毛母腫で, 上腕の病変では強い炎症反応を伴っていた。上腕からの切除標本の一部には, 腫瘍細胞がtransepidermal elminationにより排出される像も認められた。患者の母と妹に同様の病変が存在したが, 筋緊張性ジストロフィーなどの遺伝性疾患との合併はなかった。
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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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