西日本皮膚科
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症例
肺病変と皮下腫瘤を呈した持久性隆起性紅斑の1例
三浦 由宏田中 達朗凌 太郎萱場 光治成澤 寛
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1999 年 61 巻 6 号 p. 722-725

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抄録

症例は75歳の男性。両側膝関節から下腿伸側の浸潤性紅斑のほか, 両足底に多発性の出血性丘疹·血疱と両前腕伸側に直径約5cm, 弾性硬の皮下腫瘤を呈していた。病理組織所見にていずれの皮疹もleukocytoclastic vasculitisを示し, 持久性隆起性紅斑と診断した。前腕伸側の皮下腫瘤はリウマチ因子陽性のため, リウマチ結節との鑑別を要したが, 生検組織及び骨X線像より本症の皮疹と考えた。また, 胸部X-Pにて両側肺野に間質性肺炎を認めた。DDSによる治療を開始したところ, 前腕部皮下結節を含むすべての皮疹の著明な改善とともに咳嗽, 喀痰などの呼吸器症状も改善した。持久性隆起性紅斑は多彩な臨床像を呈するが, 本邦における皮下腫瘤の報告例は無いため報告した。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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