西日本皮膚科
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症例
広範囲に皮下硬結を認めたサルコイドーシスの1例
山口 隆広渡邊 亜紀久保田 由美子古賀 哲也中山 樹一郎
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1999 年 61 巻 6 号 p. 726-730

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抄録

53歳の女性。1997年12月, 両膝に腫脹·疼痛, 右前腕に板状の皮下硬結が出現。1998年1月, 左前腕, 両下腿にも板状の皮下硬結が出現。2月, 37℃台の微熱が出現。4月8日当科紹介受診。血清ACE·リゾチーム高値, CRP陽性, ツベリクリン反応陰性。胸部X線検査: 両側肺門リンパ節腫脹なし。胸部CT: 傍大動脈リンパ節腫脹。Gaシンチで両眼窩, 両側耳下腺, 両側肺門, 縦隔, 両前腕, 両膝, 左鼠径などに異常集積を認めた。前腕皮下硬結部の生検で類上皮細胞肉芽種を認めサルコイドーシスと診断。以後, 他臓器病変が認められないため積極的な治療は行わず経過観察を行い7月中旬より両前腕, 両下腿とも皮下硬結は縮小傾向を示し, 12月には四肢の皮下硬結はほぼ消失した。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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