西日本皮膚科
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症例
異所性乳癌の1例
高濱 英人能登 重光相崎 一雄千島 由朗佐藤 好信野呂 昌巳石黒 匡史瀬崎 晃一郎馬場 タカ子田所 衛
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2000 年 62 巻 1 号 p. 54-57

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抄録

73歳の女性。7年前より左腋窩に小結節が出現,徐々に増大し,1998年1月出血を伴う様になってきたため当院受診した。左腋窩に直径35×32mrnの凹凸不整の紅色腫瘤。硬性で皮膚と癒着,下床と癒着なく可動性良好。生検にて転移性腺癌を考えられ,全身検索されるも他病変を認めなかった。腋窩部,断頭分泌像よりアポクリン腺癌が疑われ,腫瘍切除,リンパ節郭清術施行された。切除標本の乳腺系免疫組織染色にて陽性像を呈した。切除標本は乳頭腺管癌と硬癌よりなり乳癌取り扱い規約に基づき浸潤性乳癌(硬癌)と病理診断された。臨床所見を加味し異所性乳癌と臨床診断された。異所性乳癌について若干の文献的考察を行い報告する。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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