従来頻度が低いとされる皮膚転移をきたした前立腺癌の3例を報告した。いずれも弾性硬の小結節が多発していた。免疫組織化学では,いずれの皮膚腫瘍細胞もprostate specific antigen(PSA)が陽性だった。血中のPSA, prostatic acid phosphataseおよびγ-seminoproteinが上昇していた。3例とも既に骨転移が認められており,血行性転移であることが示唆された。いずれも既に前立腺癌の治療歴があったことから原発巣の推定は容易であったが,その確認には,抗PSA抗体を用いた免疫組織化学が有効だった。血中前立腺癌特異的腫瘍マーカーは,皮膚転移を含めた腫瘍進展の良い指標になると考えた。