抄録
症例は55歳,女性。約17年前よりlimited typeの全身性強皮症と診断され,当科にて加療を行っていた。1999年1月に38℃の発熱,全身倦怠感が出現し,その後著明な汎血球減少と脾腫を認め,骨髄生検等の結果より二次性骨髄線維症と診断された。輸血などの対症療法およびステロイドパルス療法にて一時的に症状の改善を認めたが感染症を併発し診断後10ヵ月で死亡した。全身性強皮症と骨髄線維症の合併例の報告は稀であり,また現在までその機序についても十分な検討がなされていないため,若干の考察を加えて報告した。