27歳の女性。主訴は,四肢,特に下肢のそう痒を伴う浮腫と多発関節痛で,症状出現以前より約3kgの体重増加があった。血液検査所見では,末梢血白血球数が10900/
μl(好酸球50%)と好酸球が著明に増加していた。抗核抗体などの自己抗体はすべて陰性。C
3c, C
4は正常値で, C1インアクチベーター活性も正常であった。好酸球特異顆粒であるeosinophil cationic protein(ECP)は,47.8
μg/lと高値であった。下肢生検部の病理組織像では,真皮の浮腫と,真皮から皮下組織にかけて多数の好酸球浸潤が見られた。画像検査では,他臓器に異常を認めなかった。以上の検査結果,および臨床所見からepisodic angioedema with eosinophiliaと診断した。入院後,安静で経過をみていたが,3週間後に発熱を伴った上気道炎様症状が生じたため,メチルプレドニゾロン250mg点滴を1回行った。上気道炎様症状は消失,四肢の浮腫も徐々に軽快し,約1ヵ月後に消失した。末梢血好酸球数も正常範囲内となった。その後1年経過した現在も,再発はみられていない。
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