西日本皮膚科
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症例
環状紅斑を呈したマンソン孤虫症の1例
渡辺 秀晃末木 博彦飯島 正文中村 文規荒木 国興
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2000 年 62 巻 6 号 p. 750-753

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抄録

症例は57歳の女性。初診の3~4年前より,右大腿外側に移動性の無いそう痒を伴う紅斑,皮下硬結が出没していた。皮疹は週に1度の割合で出現し1~2日のうちに消退していた。初診時,右大腿外側に手拳大の,不規則ではあるが環状を呈する淡紅色紅斑を認め,その辺縁に指頭大の皮下結節を伴っていた。膠原病による紅斑,ライム病等を疑診し生検を施行。生検時,伸縮運動をする生きた虫体を摘出した。形態学的,皮膚病理組織所見および血清ELISA法にてマンソン孤虫症と確定診断した。近年のグルメブームの影響もあり,現在も寄生虫疾患の報告は多く,原因不明の紅斑·結節を診察する際に,寄生虫疾患も念頭に置く必要性を痛感した。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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