西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
ざ瘡に対するルリッド®の長期維持投与による検討
関山 光弘神崎 保
著者情報
ジャーナル 認証あり

2003 年 65 巻 6 号 p. 605-609

詳細
抄録

14員環マクロライド系抗生物質ルリッド®のざ瘡に対する治療効果を検討した。16歳以上の炎症性(顔面に炎症性ざ瘡が10個以上)および非炎症性(顔面に炎症性皮疹が10個未満で散在している程度)のざ瘡患者を対象とした。投与方法は2錠(300mg)/日を2~4週間投与した後,症状改善傾向が認められた例は1錠/日に減量し,さらに8週まで長期維持投与した。炎症性ざ瘡および面皰は投与2週後に有意に個数が減少し,その後8週まで漸減した。全体の有効率は70.5%(31/44)であり,炎症性ざ瘡では75%(21/28),非炎症性ざ瘡では64.3%(9/14)であった。4週以降8週まで長期維持投与を行い有効性評価が行えた症例の有効率は,炎症性ざ瘡で73.7%(14/19),非炎症性ざ瘡で54.5%(6/11)であった。副作用は,1例に眠気が認められた。以上より,ルリッド®の12週までの長期維持投与では安全性に特に問題がなく,炎症性ざ瘡および面皰を主とした非炎症性ざ瘡の治療に有用な投与法であると考えられる。

著者関連情報
© 2003 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top