老人性皮膚そう痒症(65歳以上)患者に対して塩酸セチリジン(ジルテック
®)の有効性と安全性について検討した。オキサトミド(セルテクト
®)と比較検討した結果,有用性,全般改善度とも4週後には両剤とも有意な改善が認められた。全般改善度において,塩酸セチリジン投与群がオキサトミド投与群よりも2週後から4週後にかけて有意な改善が認められた。また塩酸セチリジン投与群では,18例中12例(66.7%)において,高齢者に対して推奨されている低用量5mgで皮膚所見の有意な改善が得られた。さらに通常量の10mgに増量した3例中2例は著明改善,1例は不変であった。副作用は,塩酸セチリジン投与群では18例中1例にしびれ感,オキサトミド投与群では20例中2例に眠気を認めたが,ともに投与中止後,速やかに改善した。以上の結果より塩酸セチリジンは老人性皮膚そう痒症に対して1日1回5mgで有効性が期待され,効果不十分であれば通常量の10mgで効果が期待でき,また添付文書中に併用禁忌および併用注意を要する等の記載がないことから第一選択薬として試みるべき薬剤と考えられた。
抄録全体を表示