2004 年 66 巻 1 号 p. 23-25
51歳, 基礎疾患をもたない女性。ひとり暮らしであり, 寂しい気持ちを慰めるために近所の野良ネコに餌を与えている。いつものように餌を与えていたところ1匹のネコに右腕をひっ掻かれた。翌日には掻破部に疼痛と熱感を伴う発赤・腫脹が出現した。病理組織学的には真皮から皮下組織にかけて好中球の稠密な細胞浸潤があり, 細菌培養でPasteurella multocidaが検出された。セフジニル300 mgの経口投与2週間で軽快した。ネコ掻傷によるパスツレラ皮膚感染症と診断した。