西日本皮膚科
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症例
静脈瘤硬化療法, 磁気治療後にコンパートメント症候群を来したと考えられた下腿潰瘍の1例
牧野 貴充平井 俊二大山 哲寛池田 天史金子 泰史市村 信一
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2004 年 66 巻 4 号 p. 332-335

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抄録

60歳, 女性。 当院心臓血管外科にて右下腿静脈瘤に対し硬化療法を受けた。翌日, 自宅で磁気治療を行った後より, 右下腿の発赤, 腫脹が出現した。近医皮膚科にて保存的加療を行ったが, 右下腿の潰瘍が難治のため, 植皮目的にて当科紹介となった。入院の上, 腰椎麻酔下に植皮を試みたところ, 腓腹筋内側頭全体の壊死を認めたため, 当院整形外科にて腓腹筋内側頭の切除, 二期的に創部の部分縫縮, 三期的に植皮を行い, 良好な経過を得た。筋壊死の原因として硬化療法, および磁気治療の相互作用により腓腹筋の炎症を生じ, 腓腹筋内側頭全体の内圧が上昇し壊死に陥るコンパートメント症候群が引き起こされたものと推測した。

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© 2004 日本皮膚科学会西部支部
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